研究こぼれ話(ハマグリの分かれ話「ハマグリの成長について」)
ハマグリといえば結婚式の引き出物にも使われ、夫婦和合の象徴のおめでたい貝ですが、今回はそのハマグリが分かれていく話です。
平成21年4月から、天橋立によって宮津湾と隔てられた阿蘇海で、ハマグリの飼育試験を行い、成長を記録しています。地元で採集された小型のハマグリのうち、殻の長さが4.5cm程度のものを使って試験を開始したのですが、月を追うごとに、成長が早い貝と成長が非常に遅い貝に分かれていきました。平成22年3月には、最も大きい個体で殻の長さが6.7cm(重量では約70g)、最も小さい個体では4.7cm(約25g)で、両者は殻の長さで約2cm(1.4倍)、重量では約45g(2.8倍!)の差ができたことになります。
同じコンテナの中ですから、餌の量や水温といった飼育条件には大きな違いはないと考えられますので、残念ながらこの成長差の原因は、現在のところ不明です。今回の飼育試験で確認できたようにハマグリの成長にはかなり幅があることから、野外調査により天然ハマグリの大きさを調べても、年令ごとの成長を正確に把握することは難しいことが分かりました。今後は、阿蘇海における年令と成長の関係を明らかにするため、人工的に孵化させた同じ誕生日のものを飼育して、どのように成長するのかを調査する予定です。
(養殖・魚病担当)
丹後の海の生き物(ハマグリ)
ハマグリの飼育試験を行っています
