研究こぼれ話(ズワイガニの標識放流)
海洋センターでは京都府沖合のズワイガニの資源状況を調べるために、毎年5月には漁船に乗船しての底曳網調査や8~9月には調査船「平安丸」でのカニ篭調査によりズワイガニを採集し、計数や測定等を行っています。これらの調査では、同じ年に同じ場所で行っているにもかかわらず、底曳網ではたくさん採集されても、カニ篭ではあまり採集されないことが時々起こります。これはカニが移動するためと考えられます。このような移動を調べる方法として、標識放流があります。
先般5月12日に行った底曳網調査では、乗組員の皆さんと一緒に測定後のカニ約1,000尾に標識票を付けてその場で放流しました。放流されたカニはカニ漁期中(11~3月)に漁業者の皆さんの網に入り、放流した場所と再捕した場所から、そのカニの移動状況が分かります。これまでの結果では、大部分が京都府沖合で再捕されており、移動距離は概ね15 km以内ですが、最長記録は隠岐島北方で再捕された事例で、直線距離にして約200 kmでした。
標識放流の結果からは、カニの生残率なども推定でき、これをもとに現状の漁業は乱獲となっていないか、また資源管理の効果はどの程度なのかを検討しています。海洋センターでは漁業者の皆さんと一緒にズワイガニ資源をさらに増やす努力をしています。
(資源・漁船漁業担当)
丹後の海の生き物(ズワイガニ1,2)
ズワイガニの生態と漁業
