研究こぼれ話(ズワイガニの「群れ」)
研究こぼれ話 -ズワイガニの「群れ」-
今年も調査船「平安丸」によるカニ篭を使ったズワイガニ資源調査が始まりました。この調査は平成3年から毎年行っており、カニ篭という漁具50個を1本の長いロープに約100 m間隔で取付け、海底に約8時間沈めてカニを採捕します。カニ篭の中には餌となる冷凍サバ5、6匹を吊下げ、カニはサバのにおいに釣られて篭に入る仕組みになっています。
篭で採捕されるカニの数は一定ではなく、多い篭では100尾近くが採捕されるのに対し、少ない篭では0尾といったことがしばしばみられます。カニが海底にほぼ均一に生息していれば、採捕される数はほぼ同じになるはずです。このような現象が起こるのは、カニが「群れ」をつくるからと考えられます。つまり、採捕数は篭が「群れ」の中に入ると多く、外れると少なくなります。例えば、多く採捕される篭が20個続けば、「群れ」の大きさは概ね2 kmと推察されます。また、この調査ではオスとメスが別な場所に「群れ」をつくり、いわゆる「別居」している様子も窺うことが出来ます。深い海の底に棲むズワイガニの生息状況を広範囲に観察するのは容易ではありませんが、我々はこの調査で得られた結果から、カニの生息状況や資源量の多寡などを推察しています。
(資源・漁船漁業担当)
