研究こぼれ話(モモガニって何?)
オスのズワイガニには、サイズが同じでも大きなハサミを持つものと、小さなハサミを持つものとがいます。ハサミの小さなオスガニの多くは、秋に脱皮したばかりの「水ガニ」で、甲羅は柔らかく、身入りも多少劣るのが特徴です。しかし時々、ハサミは小さくても甲羅の硬いオスガニが出現することがあります。このカニが「モモガニ」です。脱皮すべき時期に脱皮しなかったカニと考えられます。カニのシンボルともいえるハサミが小さいので値段は安いですが,身入りは「水ガニ」よりも良いため、ある意味ではお買い得かもしれません。今シーズンは「モモガニ」の水揚げが例年よりもかなり多くなっています。
ズワイガニの資源を評価する立場では、「モモガニ」は困った存在です。評価では、秋に脱皮することを前提に資源量を計算していますが、脱皮時期を無視した「モモガニ」が増えると、この計算がおかしなことになってしまうからです。そこで今、海洋センターで漁獲した「モモガニ」を独立行政法人水産総合研究センターの小浜栽培漁業センターで飼育し、いつ脱皮するのかを調べています。既に一部の「モモガニ」が冬に脱皮したことが確認されています。今後、続々と脱皮していくのか、あるいは秋まで脱皮しないのか、興味深いところです。
(資源・漁船漁業担当)
