研究こぼれ話(底びき網の「漁師鍋」)
海洋センターでは、ズワイガニやアカガレイの資源調査の一環で、毎年5月に府内の底びき網漁船に乗船し、試験操業を行っています。この調査では、漁船の出航時間が真夜中であり、狭い船上で大量のカニやカレイを短時間で測定しなければいけないなど、何かと大変なことが多いです。他方、楽しみなことがひとつあります。それは、獲れたばかりの魚介類を使ったいわゆる「漁師鍋」を食べられることです。漁業者の皆さんはご飯だけを持参し、おかずにはその日に獲れた魚介類の一部を使った味噌汁や煮つけ等の「漁師鍋」を調理します。調査員も乗船したときには、おにぎりを持参し、このおかずをいただくことになります。
先般乗船した際にご馳走になった「漁師鍋」を紹介します。食材となった魚介類はカレイ2種(アカガレイとその肝、ヒレグロ)、エビ2種(トゲザコエビ、イバラモエビ)、バイ貝(エッチュウバイ)、タコ(チヒロダコ)とイカ(スルメイカ)の計7種です。これを醤油と砂糖だけで煮込むというシンプルな味付けで、見栄えは良いとはいえませんが、いろいろな魚介類の旨みが混ざって、その味は絶品です。船上では「食事は速やかに」が大原則であるため、ゆっくりと食べられないのが残念なところです。もし、このように多種類の新鮮な魚介類を切り身などにし、パック詰めで販売されれば、普段はなかなか食べられない「漁師鍋」を家庭でも味わうことができるのにと思います。
資源・漁船漁業担当
