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研究こぼれ話(トリガイの種苗をつくる)

  大型連休が明けると、いよいよトリガイの種苗生産が始まります。二枚貝の種苗生産の成否は、良質な卵を十分量確保できるかどうかで決まるといわれ、大役を務める親トリガイには並々ならぬ期待が寄せられます。
  海洋センターでは成長の良い種苗を供給するため、これら親貝の管理に少しこだわっています。農業や畜産の分野ではお馴染みの育種と呼ばれる考え方を取り入れ、近縁な個体から成るグループ(専門用語では近交系と呼びます)を何世代にもわたって保有し、親貝として特別に管理しているのです。
  現在、起源の異なる5種類の近交系を保有していますが、古いものでは飼育歴が20世代を超えています。見た目に地味なトリガイの貝殻も、よく見ると個体間で微妙に色調や形状が異なります。しかし同じグループ同士の場合、遺伝的に近いこともあり、非常によく似た外観を示します。最近は分子生物学的な手法を用い、外観に頼ることなく複数のグループを識別することも可能となりました。
  水産分野における育種の事例は少なく、二枚貝ではアコヤ貝やカキ類などごく一部に限られます。センターでのトリガイ育種に関する一連の取り組みが実を結び、平成20年には関連特許を取得しています。

トリガイの種苗(左は近交系A、右は近交系B)

養殖・魚病担当 

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