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丹後の海の生き物(ミノカサゴ)

 

ミノカサゴ

 

  海に潜っていて、長く美しい胸鰭を広げて優雅に泳ぐミノカサゴの姿を見つけると、思わず目を奪われてしまいます。その長い鰭が、藁で作った蓑(みの)に似ていることから「蓑笠子」と名前が付いたようです。同じ魚でも、国によってはその姿からイメージするものは大きく変わるようで、英名ではライオンフィッシュという勇ましい名前が付いています。
  丹後の海では見慣れない魚ですが、夏になり水温が高くなると姿を現します。岩場や障害物のあるところが好きで、調査のために設置している魚礁にも姿を見せてくれます。
  動きは比較的緩慢で、近づいても他の魚のように素早く逃げることはなく、悠々と泳いでいます。だからといって、手を出したりするのは危険です。この魚は、背鰭や胸鰭に強い毒を持っています。一見おとなしそうにも見えますが、しつこく追いかけたりすると、背鰭を立てて向かってくることさえあります。刺されると、患部が赤く腫れ上がり、激しい痛みに襲われます。最近では、観賞用に売られていますが、飼育の際にはくれぐれもご注意を。

京都府立海洋センター技師 白藤徳夫
 (平成20年2月6日、京都新聞掲載)

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