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丹後の海は、いま(海藻おしばづくり)

  海洋センターでは、毎年、小中学生や府民の方々に、京都府の海の環境や生物、漁業等を紹介する機会がある。中学生を主対象とした出前講座、府民の方を対象とした府民講座、夏に行われる施設公開(海まるごと体験)やふるさと海づくり大会等だ。ここで人気の高い体験の1つが「海藻おしばづくり」である。はがき大の台紙に、赤や緑、褐色等の海藻を思い思いに並べて作品を作りあげるのだ。じっくり時間をかける人や短時間で仕上げる人と、様々である。子供から大人まで楽しめ、パウチにして出来上がった作品を持ち帰ることができるのも人気の秘密であろう。普段、食卓でおなじみのノリやワカメ、コンブ以外の海藻を知る機会は多分少ない。生きた海藻に触れる機会は尚更であろう。この体験では、あまり知られていない海藻を間近に見て触れることができる。更に、一般的な海藻の話に加えて、海の森づくり(藻場づくり)や海藻養殖の取組みも紹介している。この体験の中で扱う海藻の中にアカモクがある。
  アカモクの養殖技術の開発では、本連載の12回目で紹介した「立体攪拌培養法」と「海藻種苗の生産法」という海洋センターが持つ別の特許技術を合わせて活用する。陸上水槽で種苗を効率よく生産し、海中のロープに容易に固定して養殖するのである。新しい技術の開発には、その基礎となる技術があってこそ取り組めるのだ。早く研究成果をだすことが求められるご時世だが、基礎的な技術開発には時間がかかるのも事実である。海藻おしばづくり   

(平成24年5月6日京都新聞掲載 京都府農林水産技術センター海洋センター 傍島直樹)

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