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丹後の海の生き物(ウマヅラハギ)

ウマヅラハギ

  日本全国の沿岸の浅い海に生息し、丹後では「ながはぎ」又は「ながり」と呼ばれています。近縁のカワハギと比べると名前のとおり魚体が横に長い形をしています。おちょぼ口に似合わず貪欲で、硬い歯を使って岩などに付着している小型の甲殻類、貝類、藻類などをかじって食べます。この習性を利用して、網につく付着生物の掃除役として飼育している養殖場もあります。
  夏季に沿岸部で産卵し、11月頃にやや深部へ移動します。丹後では産卵前後の夏~秋に定置網でまとまって漁獲されます。
  皮を剥がされ、むき身で「かわはぎ」として店頭に並ぶと区別が難しいですが、背びれがカワハギは茶褐色、ウマヅラハギは青色なので見分けることができます。カワハギに比べて味がやや劣ると言われますが、冬に漁獲されるものは、大きなサイズのものが多く、魚体に比例して肝も大きくなります。身が淡白で身離れも良く食べやすいことに加え、値段も安いので鍋物の具材には最適です。

京都府立海洋センター主任 井上太郎 

(平成19年5月9日、京都新聞掲載)

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