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(4)雄ガニの脱皮・成長過程

  甲幅6cm以上の雄ガニの脱皮齢期数は、従来の研究では、表1に示したように7齢期以上といわれていました。これは雄ガニの最終脱皮は存在しないという知見に基づいています。しかし、実際には最終脱皮が存在し、ある大きさで脱皮が止まってしまうので、従来の脱皮、成長過程に関する報告は見直す必要があります。
  まず初めに、今回明らかとなった脱皮に関するいくつかの事項を整理しておきます。
1雄ガニにも最終脱皮がある。最終脱皮を終えたカニの鋏脚は大きく、終えていないカニのそれは小さい。
2最終脱皮を終えていないカニは、1年に1回脱皮を行う。
3鋏脚の大きいカニは、甲幅7〜15cmの広い範囲でみられたことから(図1)、これらのカニが同じ脱皮齢期群であるとは考えられない。したがって、雄ガニの最終脱皮となる大きさ(脱皮齢期)は、個体により異なると考えられる。以上のことから、甲幅6cm以上の雄ガニの脱皮、成長過程は図3のように表すことができます。甲幅6cm以上には、4つの脱皮齢期群がみられます。(図3のA〜D)。それぞれの脱皮齢期群の平均甲幅は6.7cm、9.1cm、11.1cm、そして13.0cmです。A〜C群の中には、最終脱皮を終えた鋏脚の大きいカニと、最終脱皮を終えていない鋏脚の小さいカニとが含まれています。最も甲幅の大きいD群は、最終脱皮を終えたカニだけで構成されてます。なお、最終脱皮を終えてからの寿命は、これまでの標識放流の結果などから4年と考えられます。
  図3をもとに、雄ガニの脱皮と成長過程について簡単に説明します。例えば、A群の中で鋏脚の小さいカニa1は、9〜10月頃に脱皮を行いB群へ加入します。このときの脱皮が最終脱皮となったカニはB1群へ、そうでなかったカニはb1群へそれぞれ移行します。両者は前述したように鋏脚の大きさで容易に識別することができます。b1というカニは、まだ最終脱皮を終えていないため、さらに翌年の9〜10月頃には脱皮を行いC群へ加入します。一方、B1はすでに最終脱皮を終えているので、C群には加入せず、翌年も同じ甲幅のままB2へと移行します。このように雄ガニでは同じ甲幅であっても、例えばb1〜B4のように、年齢の違う4つの年齢群で構成されているのです。
  C群からD群の脱皮は、全ての場合で最終脱皮となります。このことは、甲幅12cm以上のカニでは、全て鋏脚が大きく(図1)、すでに最終脱皮を終えていることからも明らかです。

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