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 つぎに、転石が積み重なったような場所から効率よくサザエを漁獲する方法について検討してみました。図6に示しました写真は毎日海の中を見ておられる皆さんにはよく見慣れた光景だと思います。
ムラサキウニは岩礁域の岩の割れ目や隙間を住み場にしています。冒頭で述べましたように、昭和42年から始まった天然サザエの生態調査の中で、実験的にこれらのウニを取り除いてやるとその後にサザエが入り込んできて住み場にすることがわかっています。このようなサザエの習性を利用して効率よくサザエを漁獲できないかと考えていましたところ、溝を付けた消波ブロック(図7)が京都府水産事務所によって開発・設計され、本状浦野室地先に投入されました。そこで、これらの消波ブロックに付けた溝がサザエの住み場になっているかどうか、この消波ブロックから効率よくサザエが漁獲できるかどうか調査してみました。
 その結果、1溝付き消波ブロックを住み場とするサザエの数と同ブロックの周辺を住み場とするサザエの数を1m2当たりで比較すると、サザエは溝付き消波ブロックの方を約10倍も多く住み場にしていることが判りました(表7、図8)。しかも、2溝付き消波ブロックを住み場とするサザエの内、91〜96%のものが溝を住み場としており(表8)、消波ブロックに付けられた溝がサザエの良い住み場となっているとともに、消波ブロックに付けられた溝がサザエを留まらせる効果を持っていることも明らかになりました。その一方で、3ウニが溝の中に住み着くとその効果が半減し、溝の効果を維持するためにはやはり日常の溝の管理が必要であることも判りました。(表7、図9)。

 さらに、4溝を住み場とするサザエの内、72〜80%が殻高50mm以上の漁獲可能サイズのものであること(表9)や、溝からサザエを取り除くとその翌日には前日の約70%にサザエの数が回復していること(図10)から、この溝付き消波ブロックは効率よくサザエを漁獲するための礁、すなわち漁獲礁として十分効果を期待できることが判りました。
 また、5テングサがたくさん生えている溝付き消波ブロックほどたくさんサザエが住み着いていることも判り(図11)、やはり、住み場だけでなく餌場の重要性がここでも再確認されました。

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