ページの先頭です。

共通メニューをスキップする

京都府トップページへ

キーワード検索

府政情報 | 暮らし・環境 | 教育・文化 | 健康・福祉・人権 | 産業・しごと | 地域振興 | 京都の魅力・観光

ここまでが共通メニューです


サイト内の現在位置です: 京都府トップ農林水産業海洋センター

5.放流場所の変更
 以上の調査結果に基づき、平成7年から栗田漁業協同組合はクルマエビの中間育成と放流の場所を、「中村の浜」(図1)へ移しました。放流尾数は14.4万尾で、その平均体長は約6cmでした。そこで海洋センターでは放流(7月28日)後の種苗の分散・移動を調査しました。図10に調査日ごとの種苗の移動の様子を示しました。黒丸が大きい程、種苗の採集尾数が多かった場所、つまり種苗が高密度に分布していた場所を表しています。放流種苗は当初、放流場所周辺の水深3mまでに分布していましたが、その後水深5mまで移動し、8月4日から10日にかけては水平方向(岸に沿った方向)へ分散したようです。また、8月10日までは、1網毎の採集尾数には大きな減少傾向はみられず、多くの放流種苗が減耗しないで調査海域内に留まっていたことが分かりました。このような移動・分散はクルマエビの大きさに密接に関係しています。例えば放流場所で再捕されたクルマエビの大きさは(図11)8月17日まであまり変わらず、体長7.5cm以下、主体は5.0〜6.5cmでした
。一方、水深3mや5mで採集されたクルマエビの体長は6cm以上が主体で、6cm以下の個体は少数でした。すなわち、放流されたクルマエビは体長6cmぐらいまでは、放流された場所からほとんど移動・分散しないようです。しかし、体長6cm以上に成長しますと、深い方への移動・分散を始め、体長が7.5cm以上に成長しますと、水深3m以深に生息場所を変えるものと思われます。さらに8月17日以降(放流後20日)になりますと、水深1.5mでの採集尾数が減ったことに加えて、1網毎の採集尾数もこれまでの約半分程度(6尾以下)まで減少しました。この時期の水深3m以深でのクルマエビの大きさは体長8cm以上が主体となっていることから、体長が8cm程度に成長すると、クルマエビは、水深5m以深へも生息場所を広げ始め、調査海域外へ移動・分散して行った個体が多くなったものと考えられます。
放流種苗の1部の個体は、8月17日には体長10cmを越えました。放流場所周辺では、8月はクルマエビは漁業者に漁獲されていませんでしたが、8月下旬に放流した海域の近く(上司、脇)で、体長10〜12cmに成長した放流クルマエビが漁業者に漁獲され始めました。その後、平成7年放流クルマエビは平成8年の春・夏漁期にも漁獲されました。その結果、図3で説明しましたように、平成7年の漁獲量は昭和59年、60年並の1.5tまで回復しました。
次へ
前へ

ページの先頭に戻る

お問合せ先一覧 | サイトマップ | ご利用案内 | 個人情報の取扱い | 著作権・リンク等 | このサイトの考え方

Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.