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3.アカガレイ資源管理を具体化する上での課題
 
 アカガレイの資源管理の基本的方向が明らかになりましたが、資源管理を具体化する場合に考慮しなければならない課題がいくつかあります。
 第1は、ズワイガニ漁獲との関係です。前述したように、ズワイガニは底曳網漁業の最重要対象種ですので、ズワイガニ資源保護のために、11月6日から3月20日までの漁期以外の期間に、様々な操業自主規制が実践されています(図8)。したがって、アカガレイ資源の保護のために、底曳網漁業に対する新たな規制を設定することは、漁業経営の実態からすると、相当厳しいものがあります。
 しかし、見方を変えると、ズワイガニ資源保護のための規制によって、ズワイガニだけでなく、アカガレイも保護されているはずです。実際、ズワイガニ資源の管理が底曳網漁業者の努力によって強化された平成6年以後のアカガレイの漁獲量は増加しています。したがって、アカガレイ資源の管理の方法としては、ズワイガニに対する操業自主規制措置も充分活用し、さらに不十分なところを補う方法によってズワイガニとアカガレイの両資源を効果的に増加させる方法が検討されなければなりません。
 第2は、アカガレイの資源管理は、ある程度長期間の取り組みが必要となることです。アカガレイは成長が遅く、雌が産卵するまでに5年を要します。したがって、資源管理シュミレーションのところで紹介しましたように、漁獲量が現状を上回るようになるためには、少なくとも5年程度の取り組みが必要です。その間、予想される漁獲量の減少(必然的に漁獲金額も)を補うことができる、何らかの漁業者支援の措置が必要です。
 第3は、京都府沖合域のアカガレイ資源の生活域が、京都府沖合域から隠岐諸島周辺域までの広い範囲であることです。このことは、京都府沖合から鳥取県沖合のアカガレイが一つの群れであることを示します。群れ全体を対象として管理が実施されないと、十分な効果は期待できません。したがって、京都府沖合域のアカガレイの資源管理のためには、京都府から鳥取県の各関係者の共同の取り組みが必要であり、関係漁業者の合意をどのようにはかっていくのかも重要な課題です。
 
 以上のような課題はありますが、アカガレイの生活パターンは、資源管理を実施しやすいという側面をもっています。未成魚のアカガレイは水深200〜250m域の浅場に周年にわたって生息していますが、成魚は10年程度の期間にわたり、産卵期には浅い海域に接岸し、産卵後には深場に移動するという生活をします。つまり、どの期間、どの場所に操業規制をかけても、資源管理の効果が同じように期待できるわけです。この有利さを生かした資源管理の実践が求められます。

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