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1.これまでの標識
  クルマエビはカニと同じように脱皮して成長するという特徴を持っています。そのため、ヒラメやタイに使われている標識を付けた場合には脱皮して外れてしまうことが多いようです。しかも、放流するクルマエビは体長3〜6cmの大きさですから、この程度の大きさでも使える標識が必要になります。また標識を付けることにより体に損傷を与えることができるだけ少ないことが望まれます。さらに漁獲された時には容易に発見できるものであることが必須条件となります。そのため、このような条件を満たすエビ、カニ類の標識は非常に難しいとされてきました。さらには、先程説明しましたように脱皮という行為が特に小さいクルマエビに標識を付けることを難しくしていました。そのため、科学的にクルマエビの放流効果を掴むことは困難な状況であり、適切な標識を開発することはクルマエビを放流している全国各地の悲願でもありました。
  では、これまでに放流するクルマエビに用いられていた標識にはどのようなものがあるのでしょう。日本各地でこれまでに用いられていたクルマエビの主な標識は表1にあるようなものです。

  これらの標識は、現在各地において一般的に使われているものです。標識は大きく分けて次の3つに分けられます。
1迷子札式標識
  この標識方法では、ヒラメやマダイに使われるようにタグガンでアンカー型の標識を打ち込む方式と針を利用してビニールやポリエチレンの細い帯をクルマエビの体に通す方式が知られています。前者の場合には標識を体に打ち込むとことより体への損傷が大きくなります。後者の場合はクルマエビの体への損傷は少ないのですが、作業能率が落ちる欠点がありました。また、一般的には体長8cm以下の個体で標識の脱落が多く、標識の装着によって死亡数が多くなるので、標識装着による損傷に耐えうる大型個体を対象に標識ということになります。
  京都府でもこれまでに体長10cm以上のクルマエビに迷子札式標識を付けて放流していましたが、体長の小さい放流種苗には付けることはできませんでした。
2金線標識法
細長い金線や極細のステンレスをクルマエビの体内に打ち込む標識方法です。体長3cm程度の小型のクルマエビにも用いることができます。しかし、標識の脱落が多く(3〜5割)、標識をクルマエビに打ち込む技術の習得が困難であることや機械、標識が高価である問題があります。また、外見からは標識は確認できない(軟X線を当てて確認する)という欠点があります。
3従来の尾肢切除標識
  迷子札標識を用いることのできない小型のクルマエビに対しては、従来から尾肢を切除する方法が用いられてきました。この方法では、左右どちらかの尾肢をカッターナイフやハサミで切り取り、左右の尾肢の大きさの違いから標識クルマエビを識別する方法です。しかし、クルマエビの場合には切り取られた尾肢は脱皮することによって再生し、大きさもほぼ元どおりにもどります。すなわち、尾肢を切り取った後は3回以上の脱皮(ひと月程度)により、切り取った尾肢の大きさは切り取っていない尾肢の大きさとほとんど同じ大きさにまで回復します。したがって、尾肢を切り取ったクルマエビと尾肢を切り取らなかったクルマエビとの識別は困難になります。そのため、切り取った尾肢の大きさを指標とする従来からの尾肢切除による標識を用いての追跡調査はひと月程度しかできませんでした。
  このようにクルマエビの標識、特に小型のクルマエビの標識は難しい現状にありました。
 
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