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2標識可能な大きさ
  尾肢を80%以上切り取り、再生した尾肢の暗赤色を標識とすることができることは分かりました。そこで、さらにこの「京都方式」の標識試験を進めて放流するクルマエビの何cmから有効であるかの飼育試験を行いました。試験は平成8年6月から平成9年4月、平成8年9月から平成9年6月にかけて2回行いました。この試験には尾肢を切らない1「対照区」、尾肢を切り取った2「体長1cm区」、3「体長2cm区」、4「体長3cm区」、5「体長4cm区」、6「体長5cm区」の6試験区で行いました。
??  試験の結果は図10のようになりました。
??  「対照区」「体長1cm区」は肉眼的には左右の色素の出方には違いはみられませんでした。「体調2cm区」は一部のクルマエビに左右の尾肢の暗赤色の出方が違うものが出現し、肉眼的にも識別が可能となりました。「体長3cm区」「体長4cm区」「体長5cm区」では暗赤色の出方が違いますが、肉眼的に識別可能なクルマエビが多くなりました。そこで、尾肢を切り取った場合の暗赤色を指標とした標識が実際、何cmから判別が可能であるかを試験で用いたクルマエビから検討しました。試験は飼育終了時の全個体の写真を無作為におき、この中から尾肢を切り取ったクルマエビを選び出す方法で行いました。選び出すのは日頃から市場などで尾肢切除クルマエビの判別を行っている3人の経験者と尾肢切除クルマエビをみたことのない未経験者で行いまいした。経験者と未経験者が行ったサイズの試験結果は図11のようになりました。
??  「体長1cm区」の中から尾肢切除クルマエビは経験者、未経験者とも選びだせませんでした。これは先の試験結果でもみられたように体長1cmでは尾肢の暗赤色は切り取った尾肢と同じ出方をするからです。「体長2cm区」以上では識別が可能となり、体長が大きくなるほど識別できた割合が高くなりました。また、経験者と未経験者では識別できる割合も違いました。経験者は「体長2cm区」は38〜55%、「体長3cm区」は80〜95%、「体長4cm区」と「体長5cm区」では90%以上でした。経験者は体長3cmくらいであれば80%以上の確率で尾肢を切り取ったクルマエビを選び出すことができます。一方、未経験者は尾肢を切り取っていないクルマエビを切り取ったクルマエビとするなどの違いもあり、識別率だけでなく、識別の仕方に質的な間違いもありました。さらに、「体長5cm区」での識別率は50%前後でした。しかし、未経験者でもある程度の経験を積めば識別率は向上していきます。したがって、経験を積むことを考慮すれば体長3cm程度の大きさで尾肢を切り取っても標識として使用できると思われます。今回の試験は写真を使って行いましたが、実際に市場ではクルマエビの体色は写真でけんみる以上に鮮やかでより容易に識別できることでしょう。
  体長2cm程度のクルマエビの尾肢を切り取った場合は約半分しか識別できませんでしたが、再捕した時に検討できる有効な標識の数字が50〜60%と考えれば放流クルマエビの移動などを知る上では使用可能でしょう。普通、魚などを標識放流する場合であっても標識の脱落などで標識を施した魚の全てが有効なわけではないことを考え合わせると今回の「京都方式」標識の開発はクルマエビの標識として十分に有効なものであると考えられます。
 

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