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 (3) 産卵期
 魚類の産卵期を推定する方法には色々ありますが、前述したように親魚の生殖腺を調べる方法が一般的です。中でも、生殖腺の重さを測定し、体重との比率であらわした「生殖腺指数」の変化を見る方法が簡便で最も多く使われます。「生殖腺指数」とは、この値が高いと生殖腺がよく発達していることを示す指標です。そこで、京都府沿岸海域におけるヒラメの「生殖腺指数」の変化と、熟した卵を持った「完熟」個体の出現時期を、併せて図8に示しました。雌の完熟個体の出現時期は、年によって若干異なりますが、だいたい2月中、下〜6月上旬で、各年ともその出現期間は3ケ月前後です。一方、「生殖腺指数」の高い期間は、概ね3月上旬から5月中旬という結果になっています。雄の完熟個体は、2月中旬頃からみられ、6月上旬まで出現しています。また完熟個体が出現する時期には、「生殖腺指数」も比較的高い値を示しています。
 産卵期についてもう少し詳しくみるために、雌のヒラメを対象として、旬別に各成熟度の個体の出現率を、図9の上段に整理しました。1月上旬から2月上旬までは、全て「未熟」個体ですが、2月中旬以降は「半熟」個体の割合が高くなります。2月下旬からは「完熟」個体が出現しはじめ、4月上旬にはさらに成熟が進んで、全て「完熟」個体となっています。なお、「完熟」個体の割合は、その後低くなるものの6月までみられます。そして、「完熟」個体の割合が低下する一方で、5月上旬には「放卵」個体が出現し、6月上旬にはこれが大半を占めるようになり、ヒラメの産卵期が終了に近づいていることがうかがわれます。図9の下段には、顕微鏡を使用して、雌の生殖腺における卵細胞の発達具合を精密に調査した結果を示しました。この結果からも、4月上旬から6月上旬にかけて、雌の生殖腺がよく発達しており、多くのヒラメが産卵している様子がうかがえます。
 以上のとおり、雌の「生殖腺指数」、肉眼観察による生殖腺の成熟度調査及び顕微鏡による生殖腺の卵細胞の調査結果から、京都府沿岸海域におけるヒラメの産卵期は、年により多少変動はあるものの、概ね2月下旬から6月上旬で、その盛期は、4月上旬から5月下旬であることがわかりました。




 

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