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1.京都府の磯根漁業と磯焼け
 1)磯焼けとは?
 磯焼けはある海域の藻場の全部、もしくは一部が消失したまま回復しないで、そのまま持続する現象のことです。そして、藻場の消失によって有用海藻類(ワカメなど)の採集や藻場生活する水産動物(アワビやサザエ等)あるいは磯魚(カサゴやメバルなど)資源が減少し、漁獲に大きな影響を与え、漁家に経済的打撃を与えることを指します。
 磯焼けの起こる要因は海域によって異なり、地形や生物、海水の特性などこれまでにいろいろな要因が上げられています。その主なものを紹介しますと
 1鉄イオンの不足
 鉄イオンは海藻が光合成を行う上で重要と指摘されています。しかし、磯焼けのみられる沿岸の浅場や隣接した岩礁域には海藻が生えていることから鉄イオンの不足のみが磯焼けを起こしている要因とは考えられません。
 2植食動物による食害
 
府下の海域の中にはキタムラサキウニ等の植食動物の食圧により磯焼け状態になっている海域があります(写真1)。植食動物の侵入ができない砂浜域に礁を造成すると容易に藻場を形成することができます。このことから植食動物と磯焼けとの関係は高いといえます(植食動物とは海藻を食べる動物で、アワビ、サザエやウニ類などが代表的なものです)。
 3無節サンゴモの優占              
 磯焼けしている海域は無節サンゴモが優占していることがあります。無節サンゴモは表面がはがれやすいことから、海藻の種の着生を阻害しているといわれています。しかし、磯焼けの発生している海域でも無節サンゴモのない海域もありますし、藻場ではサンゴモ上にも海藻が生えていることもあることから無節サンゴモの優占は磯焼けの結果であり、磯焼けを起こす原因ではありません(サンゴモとは紅藻サンゴモ科の海藻でヒノキの葉のような節を持つもの・・・有節サンゴモ類、持たないもの・・・無節サンゴモ類に分けられる。サンゴ(珊瑚)と同じように体が石灰化して固くなっていることからサンゴモと呼ばれている (写真2)
4波力、漂砂
 ホンダワラ類の場合は岩盤域のように着生している基盤の安定した場所では多年生の種類が分布していますが、転石域のような着生している基盤が安定しない場所ではホンダワラ類の着生はみられないか、着生していてもアカモクのような1年生の種類であることが多いようです。また、漂砂によるヤスリ効果によっても藻場の分布は制限されます。(ホンダワラ類には1年生海藻と多年生海藻があり、1年生海藻は1年で成熟し株の全てが流出する海藻ーアカモク、多年生海藻は成熟しても上部は流出するが下部の株は残り秋には伸長して複数年にわたり生殖、生存する海藻ーアカモク以外のホンダワラ類)。
 これ以外の磯焼け要因としては海況の変化、淡水の流入、天候の異変、その他が上げられます。以上の説でいわれる要因は単独で磯焼けの原因となる場合は少ないと思われますが、複数の要因がその海域の磯焼けの症状に複雑に関与していると考えられます。
 現在、京都府海域でみられる磯焼けは小規模であり、他県でいわれているような漁業に打撃を与えるような大規模なものは見あたりません(報告されていません)。今回紹介します磯焼けの事例は、これまでに磯焼け海域として報告のあった海域を海洋センターが平成7年に調査したホンダワラ類と植食動物の分布状況です。紹介する海域は図1にみられる大浦半島の田井地先、成生地先、新井崎地先、本庄浜の野室地先です。






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