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 2)京都府の磯焼けの事例
 今回紹介する海域の調査水深は2又は3,5,7,10,15,20mとしましたが、底が砂になった時点で調査を終了としました。このことからそれぞれの海域の調査最深部は田井、成生は水深12m、新井崎は水深15m、野室は水深23mでした。
  1田井地先(図2)
 田井地先の調査場所は水深3〜12mまで傾斜が38度の急峡な岩盤域でした。調査海域には水深5〜12mに6種類のホンダワラ類が生えていましたが、水深3mにはホンダワラ類はみられず磯焼け状態でした(写真3)。また、調査した水深帯もホンダワラ類はみられましたが、生え具合はまばらな状況でした。
 植食動物は4種類が出現し、水深12mを除く水深帯で4種類が出現しました。植食動物の現存量は水深が深くなるに従い少なくなりました。すべての水深でみられた植食動物はウラウズガイという小型の巻貝でした。有用植食動物はサザエが水深3mでみられました。また、水深3mと7mでムラサキウニ、水深7mでバフンウニがみられました。
 今回調査した場所は、以前は植食動物のキタムラサキウニが多く(25個/u)生息していた海域で、ホンダワラ類が全くみられず、磯焼け状態を呈していました。ただし、平成6年の夏季に高水温状況が長く続き、その影響によりキタムラサキウニは大量死亡しました。本来、北の海域に主に分布するキタムラサキウニが、今回の調査ではその生息は確認できませんでしたが、水深3mではキタムラサキウニ以外の植食動物の現存量は他の水深帯と比較して多くなっていました。一方、水深3mにはホンダワラ類が生えていませんでした。これらのことから,水深3mでは平成6年以前のキタムラサキウニの摂餌により発生したとみられる磯焼けの後遺症が他の植食動物に取って代わった現在(調査した時点)までも続いていました。同様に水深5mの海藻の現存量が水深7mと比較してやや少ないのも水深3mでみられた植食動物の影響がこの水深帯にまで及んでいる結果と思われます。水深7mでは植食動物の現存量が少なくなり、逆にホンダワラ類の現存量が多くなります。また水深7mより深くなるとさらに植食動物の現存量が少ないことから植食動物の影響は少なくなります。しかし、水深が深くなると太陽光などにより海藻の生える条件が厳しくなり、海藻の現存量は水深が深くなるに従い少なくなったためと考えられます。


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