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5 揚網の可否
これまで述べてきましたように、第二箱網の目合の拡大が網容積率を高く保つのに有効であることが明らかになりました。そこで、この目合拡大が揚網の可否にどのように影響するかについて、高砂漁場を対象として検討しました。高砂漁場の6節および12節の箱網について、0.1ktごとに揚網可能日および不可能日の頻度を図7に示しました。高砂漁場の平均的な流速域である0.4kt以下について、揚網の可否を見ると、6節の方は0.3ktの時に若干揚網不可能日があった他はすべて揚網可能であったのに対して、12節の方は、0.2ktの時にも揚網不可能日があり、0.4ktでは過半数が揚網不可能日でした。また、0.5kt以上の比較的速い流速域でも、6節の方が揚網可能日の頻度は高い結果となっていました。
このように、第二箱網の目合拡大の利点としては、流水抵抗が減少することによって、今まで揚網できなかったような流速下でも揚網が可能になることが挙げられます。つまり、揚網回数をより多く確保できるという点でも、第二箱網の目合をより大きくすることは有効であると考えられます。





 
 第二箱網の目合
このように、12節や14節といった小さい目合の網に比べて、6節の目合の網には、網容積率を保ちやすく、揚網回数も増えるなど様々な利点があることがわかりました。今回の調査結果から、調査対象とした漁場と同様の流向・流速条件を有する漁場においては、6節程度の第二箱網を使用することが有効であると考えられます。
最適な第二箱網の目合とは、吹かれにくく(網容積率を高く保ち)、魚群を効 果的に漁獲し、しかも「羅網が起きにくく、魚群が網目から逃避しない最大の目合」と考えることができます。そのために、今後は魚群の網目からの逃避などについての調査も必要であると考えています。

.おわりに
今回、具体的な調査データに基づいて、定置網(第二箱網)の容積と漁獲量との関係から、網成りを高く保つことの重要性や第二箱網の目合を6節程度の大き さにすることの有効性を示してきましたが、この他にも、今後定置網漁業の経営にとって重要な課題は数多くあると思います。現在、海洋センターでは、
1資源が減少している中で、「効率的・安定的漁獲技術の開発」を目的として、
 幼稚魚を中心とした非有用魚等の不合理漁獲を軽減し、そのための網構造を  検討する。
2操業の不安定さに対して「安定的操業の確保」ができるように、吹かれにく  い網構造を検討し、箱網内の魚の居残り率を向上させる手法を検討する。
3急潮等による漁具被害に対して「目合拡大等の漁具の改良」を目的とし、各  漁場での潮流と網形状等の関係の把握を行う。
等といった内容の調査を重点的に実施しています。今後、これらの調査が少しでも漁業者の皆様に役立てられるようにと考えています。


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