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2.短期蓄養試験の結果
 1)蓄養の方法
   1蓄養にはどんな餌が良いだろう
  ウニの仲間が海藻を餌にすることは良く知られています。そこで、海藻  の種類を変えて蓄養に最適な餌についてよく理解するための試験を行いまし た。餌は乾燥コンブとホンダワラ類を使いました。コンブを使ったのは、キ タムラサキウニの本場の北海道ではコンブが主食であること、また、京都府 で蓄養を行っていこうとする際に手軽に手に入る海藻であるという理由から です。また、ホンダワラ類は京都府の沿岸では普通に見られ、手に入りやす い海藻類です。春先には種類によっては4〜5mに成長しますが、夏までに 成熟し、その後は切れて流れ藻となります。
  この2種類の海藻で蓄養試験を行いましたが、蓄養の餌がどの程度良いか を比べて判断するために、成長や身入りの試験の際は天然のウニについても調べました。試験は3月下旬から開始して7月まで行いました。身入りの程度を示す生殖線指数の経過は図2のとおりでした。天然ウニは3月の生殖線指数は9%でしたが、6月は14%、7月は18%になりました。コンブ給餌試験区では6月には13%、7月は17%でした。ホンダワラ類給餌試験区では6月は16%、7月は19%でした。出荷する際の身入りの程度は18%以上をひとつの目安としますが、7月に18%を越えていたのは天然とホンダワラ類給餌試験区でした。蓄養期間を短くする、早く出荷をしていくという経営戦略を立てるならば身入りの早いホンダワラ類を餌にした短期蓄養が優れているといえます。また、天然ウニは5月まではホンダワラ類と同程度の生殖線指数でしたが、6月は10%以下に低下し、7月に再び生殖線指数が高くなるというように安定した身入りではありませんでした。
  今回の試験では平均殻径55mm、500個のウニを用い、4月〜7月までの4ヶ月間に340kgのホンダワラ類(生の重量)を要しました。このことから、4月〜7月までに必要な餌は1個/日のウニに対し、5〜6g程度の海藻で十分です。
   
  2試験でおこなった蓄養方法の実際
   蓄養は採集したウニをカゴに入れて、身入りが良くなるまで餌 を与えるというきわめて簡単な蓄養方法です。蓄養で特に注意することは、キタムラサキウニは高い水温に弱いため、潮通しの良い場所を選ぶことです。給餌する餌の量や方法については今のところ魚の養殖のように特に気にすることはありませんでした。海藻などの餌が無くなれば補充してやる程度でよいようです。今回は、短期蓄養には、目合7.5mmのネット(材質 ポリエチレン)を1m×1m×1.5mの四角いカゴにしてウニを300個入れて使用しました。カゴの垂下位置は餌を与える際にウニの様子がよりよく判るようということを考慮してに水面に浮かせました(写真)。
                         
 2)成長と水温について             
  ウニの成長は体の大きさ(径)で見ます。餌の種類別の成長はコンブ給餌試験区は試験開始時の殻径53mmから試験終了時に54mm、ホンダワラ給餌試験区は殻径54mmから55mm、天然の場合は56mmから56mmの結果となり、7月の試験終了時の成長は試験開始時と比較して1cm程度大きくなっていました。それぞれの試験区では天然と比較してやや成長しているように見えますが、、餌の違いによる成長差は試験期間中では明確には分かりませんでした(図3)。一方、3月に開始した試験で、生殖巣重量は4月には餌の違いによる差があらわれ、試験開始時の6.6gに対し、試験終了の7月には天然、ホンダワラ類は14g、コンブは12gとなりました。この結果、餌の違いの試験では天然、ホンダワラ類を餌にした場合と比較して、コンブを餌にした場合の身入りがやや悪いようです。
  蓄養中の水温は3月の試験開始は11℃台で、その後は徐々に高くなり、  7月の終了時には23℃でした。短期蓄養中はウニの成長を目的とするより  は身入り良くすることをを対象に考えた方がよいと思います。  

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