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 3.短期蓄養をすると品質は変わったか
 1)化学の目でみた品質の変化
  できあがった製品の味の善し悪しを判断するには、成分を化学的に分析す る方法と人の感覚(目や舌など)に頼る方法があります。図4は旨味、甘味、苦味、えぐ味の各成分を化学的に分析した結果です。この結果をみると旨味、甘味といったウニの味を良くする成分は天然やホンダワラ類を餌として与えた場合が良く、コンブの場合は旨味、甘味といった味の成分は天然やホンダワラ類給餌区の半分程度でした。化学的に分析した結果を用いて旨味、甘味といった味の成分分析値を全体の成分の分析値でわり算するとウニ全体の良し悪しを判断する「旨味指数」を表すことができます。先ほどの化学的に分析した結果からホンダワラ類の場合の旨味指数を1とすると天然は0.87、昆布は0.63でした(図5)。化学分析の結果からはホンダワラ類を餌にした場合が旨味が一番よいという結果になりました。では、この数字の差を人間の目や舌はどのように判断するのでしょうか。
                        
  2)人間の舌は化学を越えたか
    1漁業者の舌
  蓄養試験でお世話になっている宮津市島陰地区の漁業者の皆さんにそれぞ  れの試験区のウニの試食をお願いしました。お願いした判定項目は色、味、  旨味、甘味についての試験でした。その結果は表1のとおりでした。

表1  宮津市島陰地区の食味試験結果

試験区 旨味 甘味
ホンダワラ類 2 2 1 1
乾燥コンブ 3 3 2 2
天  然 1 1 3 3
  ※数値の小さい方が評価が高い
  
  この結果では、島陰の人たちの評価は天然のウニは色、味に優れると感じる判定でした。ホンダワラ類試験区は色では天然と比較してやや劣りますが、旨味、甘味に優れる判定でした。また、コンブ試験区は今回の調査項目では判定が1の項目はありませんでした。
 
   2海洋センター職員の舌
  次に海洋センター職員による食味試験を行いました。その結果は表2のとおりです。                    
表2 海洋センター職員の食味試験結果
 試験区 旨味 甘味
ホンダワラ類 2 1 1 1
乾燥コンブ 2 3 3 3
天  然 1 2 2 2
                 
  海洋センター職員の評価は、天然ウニは色に優れる判定は島陰の皆さんと同じ評価でした。しかし、他の項目についてはホンダワラ類試験区は味、旨味、旨味に優れる判定でした。コンブ試験区は今回の調査項目では判定が1の判定が該当する項目はありませんでした。海洋センター職員の舌も化学分析や漁業者の判定とほぼ同様な結果になりました。味覚にはそれぞれ個人の嗜好が違うことから、今回の結果をもってホンダワラ類が蓄養の餌として一番良いということは一概に決めつけることはできません。でも、ホンダワラ類を餌にして蓄養すれば仕上がりの製品としては良い結果につながることがこれらの結果からもうかがえます。
 
  蓄養に使う餌について、これまでの結果をまとめますと、1 身入りが早い2うま味に優れている 3餌が入手しやすい 4製品の成分の安定などからホンダワラ類はキタムラサキウニの蓄養の餌として適していると考えられます。苦味が強いキタムラサキウニは、海藻を与えることによって苦味は軽減できるといわれており、その代表が今回のホンダワラ類ではないでしょうか。
 
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