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3.アマモの増殖方法の検討 
 1)舞鶴湾の水質環境とアマモの季節変化
 アマモの生育には30℃以上の高水温や5℃以下の低水温、34以上の高塩分や17以下の低塩分が影響するといわれています。図3は、調査を行った平成8年4月から平成9年4月
の舞鶴湾の水深1m層の水温と塩分です。水温は、4月に13℃でその後は水温は上昇し、7〜8月にかけて25℃とその年の最高水温になりました。水温は9月以降は下降し、平成9年1月には9℃と最低水温になりました。その後は昇温に転じています。塩分は29から33の範囲で変動していました。3月は雪解け水の影響で塩分濃度は低下しました。舞鶴湾では周年にわたり水温は9〜25℃、塩分は29〜33の範囲で推移しており、先に紹介した生育に影響する水温、塩分条件は舞鶴湾ではクリアされており、アマモの生育に悪影響をあたえることはありませんでした。
 図4のアマモの株数と現存量の月変化をみますと、4月は308株/u(図の上と342g/u(図の下)でしたが、6月には栄養株と生殖株の増加により412株/u、678g/uに増えました。7月には生殖株がなくなり、また、栄養株も180株/u、388g/uに減りました。その後も減り続け、9月には140株/u、70g/uになりました。10月以降に栄養株は増えてきて、12月まで徐々に多くなりました。また、12月には実生株もみられるようになりました。平成9年1月になると実生株と栄養株が増え、2月には720株/uになりました。さらに、2月は生殖株も出てきましたが、3月に入ると実生株が減って全体としては株の数は少なくなりました。2〜4月の量は270〜275g/uと横這いでした。アマモは水温降温期に地下茎の成長に伴い株数が増えていきます。舞鶴湾のアマモも10月から1月にかけての水温の降温する時期に栄養株の株が増えますが、これは栄養繁殖によって株数が増えたことによります。アマモは水温が16℃になるまでに開花し、23℃になるまでに種ができます。 
図5の平成8年4月から平成9年4月までの全体に占める生殖株の割合と花穂の成熟段階別の割合をみると、生殖株は平成8年4月から6月と平成9年2〜4月にみられ、生殖株の割合は2〜31%でした。花穂は2月から3月に未発達(T)な状態から発達してきます(U)。その後に成熟は進み(V〜W)、5〜6月には成熟して種ができ、放出します(W〜X)。しかし、種が全て放出された生殖株はみられませんでした。平成8年6月の時点で生殖株1本当たりの平均花穂数は15.2本、花穂1本当たりの平均種数は8.6個でした。 平成8年4月から平成9年4月にかけてアマモの丈(たけ)の生育状況を観察しました。図6のように平成8年4月から7月にかけて栄養株の丈は90〜100cmから120〜130cmに生長しましたが、7月から9月にかけてのアマモの衰退期には
枯れたり、切れたりして、丈は120〜130cmから30〜40cmになりました。10月には80〜90cmに生長しましたが、その後は成長活動は停滞し、再び生長活動を開始して100cmを越えるような株になったのは平成9年4月以降でした。10月は30〜40cmの丈の新しい株が出てきます。この株は平成9年1月にかけて成長しました。生殖株の株は平成8年4月から5月にかけて100〜150cmの丈の株が多い傾向でした。6月には150cm以上になる株もみられますが、この時期になると先枯れや花穂が流出している株が多くなります。そのこともあり、丈が110cm以下の株が多くなります。平成7月から平成9年1月までは生殖株はみられませんでしたが、2月には80〜100cm丈に生長した株がみられるようになり、4月以降には100〜150cm丈の株に成長します。 
 アマモの生育や生育に必要な条件が分かったことから、次に舞鶴湾でアマモを増殖する方法を検討しました。増殖方法として1株を移植する 2種を蒔くの二つの方法で行いました。
 
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