ページの先頭です。

共通メニューをスキップする

京都府トップページへ

キーワード検索

府政情報 | 暮らし・環境 | 教育・文化 | 健康・福祉・人権 | 産業・しごと | 地域振興 | 京都の魅力・観光

ここまでが共通メニューです


サイト内の現在位置です: 京都府トップ農林水産業海洋センター

1 カタクチイワシの生態
 
(1) 分布域と漁場・漁期
 
 カタクチイワシは樺太、沿海州から日本各地、朝鮮、中国の沿岸に分布しています。 また、その資源が少ない時には内湾や沿岸域を主な分布域とするのに対して、資源が多い時には沿岸域から沖合域にかけて比較的広く分布します。
 太平洋側では大型魚は主として千葉、茨城両県沖で、小型魚は三重、愛知両県沖で、子供のシラスは静岡、愛知、三重の3県沖で比較的多く漁獲されています。これらの量と比べると日本海での漁獲量は少ないですが、近年では増加しつつあり、主に富山県から山口県でのまき網や定置網で漁獲されています。特に、日本海西部海域のまき網での漁獲が多いことが特徴です。漁期は北海道の5〜12月を除くと周年にわたり、盛漁期は一般に秋から冬にあたっています。
 本府では、カタクチイワシは若狭湾の定置網で周年漁獲されますが、近年は特に2月から5月頃の漁獲量が最も多くなっています。
 
(2) 成熟
 
 カタクチイワシは体長8cm以上で成熟し、生殖腺(卵巣)重量比(生殖腺重量/魚体重×100:生殖腺の発達具合を指数で表したもの)の値が5以上で産卵するとされています。また、水温が15℃以上で産卵を開始するとされており、若狭湾では例年4月下旬頃には15℃以上に昇温しますので、その頃から産卵が始まっているものと考えられます。平成7年の調査では生殖腺重量比が5以上の成熟した個体は4月から7月までの間にみられましたが、8月以降成熟個体の出現はほとんどみられなくなりました(図1)。春季のカタクチイワシの体長組成には、体長8〜10cmの群(前年の春に産まれた1才魚)と体長12〜14cmの群(2年前に産まれた2才魚かそれ以上の高齢魚)がみられ、春季の産卵には複数の年級群が関与しているものと考えられます。しかも、若狭湾の場合、4月下旬頃からの産卵は2才魚かそれ以上の高齢魚が主になっており、5月〜6月の産卵は1才魚が主になっていることがわかっています。一般的にはカタクチイワシの産卵は周年にわたっており、春と秋に産卵盛期がみられることが多いようですが、以上述べてきましたように、若狭湾では、近年は春の大型の高齢魚による産卵が主になっているようです。
 カタクチイワシの成熟には、その海域の餌料環境が大きく影響することが知られています。若狭湾の場合、カタクチイワシの餌料となる動物性プランクトン量は、4月下旬から5月上旬頃が春季の出現のピークであり、大型の高齢魚の成熟・産卵時期と一致していました。しかし、5月下旬から6月上旬には動物性プランクトン量が減少するため、高齢魚に続いて成熟・産卵する1才魚にとっては餌料条件が悪く、一部の個体のみが成熟していたものと想定されます。また、夏季から秋季に成熟・産卵する個体がほとんどみられないことも、餌料となる動物性プランクトン量の季節変動に対応した結果であると考えています。

次のページへ
前のページへ


ページの先頭に戻る

お問合せ先一覧 | サイトマップ | ご利用案内 | 個人情報の取扱い | 著作権・リンク等 | このサイトの考え方

Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.