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はじめに

 2000年に宇治川においてオイカワやコウライモロコの大量衰弱事例が発生しました。当時マスコミにも大きく取り上げられましたので、読者の中にはご記憶の方もおられるでしょう。海洋センターでは、この衰弱原因の調査を担当しました。その結果、原因は腹口類吸虫のメタセルカリアの大量寄生によるものであることが分かりました。更に、この寄生虫の生活環を調べると、第一中間宿主は淡水産二枚貝類のカワヒバリガイで、終宿主は宇治川に生息するビワコオオナマズであり、オイカワやコウライモロコは第二中間宿主となっていました。この寄生虫は、これまで日本では知られていない種類で、中国由来の種類に極めて類似していることが分かりました。第一中間宿主のカワヒバリガイは、中国を含む東アジア、東南アジアに分布する二枚貝で、元々日本には生息していなかった外来種です。1990年頃、シジミ生貝等の水産物に混じって、琵琶湖、淀川水系に侵入したとされ、今ではすっかり繁殖、定着している種類です。同水系である宇治川にも多数生息しています。ですから、この腹口類吸虫はカワヒバリガイとともに宇治川に侵入し、増殖したものと推察されています。
 最近では、ブラックバスやブルーギル等の外来魚類による在来魚介類への影響、生態系の混乱、破壊が問題視されています。外来種に対する日本国内での対応は、立場によって異った主張がされています。しかし、今回の宇治川における吸虫の寄生による被害事例は、外来の貝類によりもたらされた寄生虫が淡水在来魚類に寄生したことによって引起されました。このことは、外来魚類の侵入ばかりなく、外来魚介類により持ち込まれる寄生虫等の侵入等も考慮に入れて、今後の対応を考えていく必要性を示しています。
 本季報では、海洋センターで取り組んだ調査研究の事例を紹介し、外来魚問題の参考にしていただければ幸いです。 
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