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京都府レッドデータブック2015

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コイ目 コイ科

アブラボテ

Tanakia limbata (Temminck and Schlegel)
京都府カテゴリー

準絶滅危惧種

2002年版 準絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 準絶滅危惧(NT)
京都方言 ボテ、ボテジャコ(混称)
アブラボテ

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選定理由

府内各生息地で個体群の著しい減少が認められる。

形態

体長約5cm。体高は高く、体は側扁する。1対の口ひげを有し、側線は完全。オスの婚姻色はほかのタナゴ類とは異なり、オリーブ褐色を呈する。

◎近似種との区別 成魚はオリーブ褐色の体色によりほかのタナゴ類と容易に区別できる。仔稚魚期の形態は、近縁であるヤリタナゴと酷似するが、体表の黒色胞の形および分布から区別することが可能である。

分布

日本固有種で、濃尾平野以西の本州、四国瀬戸内海側、九州北部に分布する。

◎府内の分布区域 淀川水系(桂川、鴨川、琵琶湖疏水、宇治川、木津川)、由良川水系、久美浜町蓮池などに分布する。

生態的特性

河川の中・下流域および農業用水路など、比較的流れの速い場所に生息する。食性は雑食性で、主にユスリカ幼虫などの小型の底生動物を好む。産卵期は4~8月で、マツカサガイやドブガイ類などのイシガイ科二枚貝の鰓腔内に産卵する。京都市嵐山周辺の桂川ではヤリタナゴと混棲している。

生息地の現状

府内では、桂川流域の小規模河川や農業用水路において安定した個体数は維持されているが、詳しい生息状況は不明で、各生息地における保護対策は特に行われていない。

生存に対する脅威

河川改修による生息場所の消失、産卵基質となるイシガイ科二枚貝の減少による再生産の阻害、肉食性外来魚による食害および飼育、販売を目的とした乱獲が脅威である。

必要な保全対策

生息場所とイシガイ科二枚貝の保全、肉食性外来魚の侵入および乱獲の防止が必要である。また、生息状況を把握するために定期的な生息実態調査を実施することが望ましい。

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