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京都府レッドデータブック2015

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種子植物 スイレン科

オニバス

Euryale ferox Salisb.
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
近畿レッドデータブックカテゴリー 絶滅危惧種C
オニバス

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選定理由

全国的にも産地が急減している。府内でも池沼の埋め立てと水質の悪化で消滅する産地が相次ぎ、現在は限られた少数の場所にしか残っていない。

形態

直径1~2mにおよぶ巨大な浮葉を形成する一年生の水生植物。植物体全体に鋭いとげがある。

◎参照 日本の野生植物 草本Ⅱ(平凡社)95、原色日本植物図鑑 草本編Ⅱ(保育社)253、日本水草図鑑(文一総合出版)109

分布

本州、四国、九州、アジア東部、インド。

◎府内の分布記録区域 中丹地域(情報のみ)、南丹地域、京都市域南部、乙訓地区、山城地域北部。

生存に対する脅威

水域の埋め立て、水質の悪化。

必要な保全対策

かつての自生地付近では工事に先立つ環境評価のほか、工事後に出現しないかのチェックが必要である。
 オニバスには地理的変異の存在が確認されている。オニバス群落の「復元」を目指す場合、安易な移植や他地域からの導入は避けるべきである。

特記事項

ある程度富栄養化した水域に生育する植物であるが、アオコが発生するような過栄養状態になると急激に群落が衰退する。夏の一時期に開放花(水面上で開花)が見られるが、多数のつぼみは水面下にとどまり閉鎖花となる。種子生産は主に閉鎖花によって行なわれる。年によって群落の盛衰が著しい。種子の休眠期間が長いため(~数十年)、いったん消滅した水域にも甦る可能性がある。すでに絶滅したと見られていた乙訓地区や宇治市でも、土中に埋もれて休眠していた種子が工事によって地表に現れて発芽し、一時的に復活した例がある。

種子植物の文献一覧

執筆者 角野康郎、光田重幸

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