種子植物
種子植物キク科

オグルマ

Inula britannica L. subsp. japonica (Thunb.) Kitam.

選定理由	原野や田の畦などの湿地にはえる一年交代型の多年草で、府内ではわずかに生育しているにすぎない。
形態	地下茎を伸ばして繁殖し、茎は高さ30～50cm、短い毛がある。葉は薄く、基部は無柄。茎の上部はよく分枝し、8～10月にかけて径3～3.5cmの黄色の頭状花を付ける。 ◎参照　日本の野生植物草本Ⅲ（平凡社）204、原色日本植物図鑑草本編Ⅰ（保育社）70
分布	北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸東北部。 ◎府内の分布記録区域　中丹地域、南丹地域、京都市域、乙訓地区、山城地域（現状不明）。
生存に対する脅威	土地造成、道路工事、園芸用の採集、圃状の整備、除草剤の使用。
必要な保全対策	湿地の開発にはその地域の生物調査を詳細にすることが必要。草刈りが多く行なわれる場所では、開花に到らず栄養繁殖で増えることが多い。結実後の種子から更新して遺伝子多様性を確保することも重要。
特記事項	すでに見られなくなっている地域でも、田を耕した後などに出現することがある。

執筆者　高木俊夫、光田重幸

絶滅危惧種