種子植物
種子植物イネ科

ヒロハノドジョウツナギ

Glyceria leptolepis Ohwi

選定理由	産地が限定され、個体数も少ない。京都府内では丹後地域の、ごく限られた場所でしか見出されていない。
形態	大型の多年草。低山の湿地や水辺にはえ長い地下茎から稈を単生し直立。稈は高さ90～180cm、基部の径は3.5～10mmに達する。葉身は両面ざらつき長さ10～40cm、幅3.5～14mm。葉鞘は節間より長く円筒状、無毛だが小刺状の突起がありざらつく。円錐花序は大きく長さ15～30cm、点頭する。小穂は細い柄があり長さ6～8mm。苞穎は不同長、各1.5～2mm。護穎は長さ4mm、脈は突出する。花期には花序がススキ状に点頭する。マンゴクドジョウツナギが似ているが、葉鞘はざらつかず、護穎の長さ2.5～3.3mm。 ◎参照　日本の野生植物草本Ⅰ（平凡社）110、原色日本植物図鑑草本編Ⅲ（保育社）325、日本イネ科植物図譜（平凡社）216-217
分布	北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸北部、ウスリー、サハリン（樺太）。 ◎府内の分布記録区域　丹後地域、中丹地域（現状不明）。
生存に対する脅威	湿地開発。林道の拡幅や新設。
必要な保全対策	概ねイネ科植物は雑草との認識が一般的であり、稀少種と気づかれぬまま諸開発の犠牲となりやすい。開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。

執筆者　津軽俊介

絶滅危惧種