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膜翅(ハチ)目 ドロバチモドキ科

キアシハナダカバチモドキ

Stizus pulcherrimus (F. Smith, 1856)
京都府カテゴリー

準絶滅危惧種

2002年版 準絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
キアシハナダカバチモドキ

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選定理由

もともと分布はごく局限されており、1970年代には既に福井県と京都府くらいしか知られていなかった「幻の種」であり、絶滅寸前種ないしは絶滅危惧種としてもよいと考えられたが、近年になって、なぜか散発的に生息記録が得られており、準絶滅危惧種としておく。

形態

体長23.0mm前後、黒色の体に黄色の斑紋と赤褐色の脚をした美麗な種。

分布

本州、四国、九州、朝鮮半島から中国大陸に分布。

◎府内の分布区域 京都市、大山崎町、京丹後市。

生態的特性

バッタ類を狩り、地中に営巣。営巣行動は常木勝次(1942)が戦前に中国大陸で記録しただけであったが、日本では常木らが1970年代に福井県で初めてコロニーを発見し、観察された(Tsuneki 1976)。

生息地の現状

本種は、古く1930年代に京都市南部久世の鴨川川原に木村(1936)が記録して以来、京都市内では1999年に遠藤が伏見桃山で1個体を確認するまで記録がなかった。1970年代には、丹後箱石浜で少数の営巣を確認したが(遠藤1991)、その後同じ場所では見られていない。しかし、2000年には大山崎町で、小さなコロニーが確認され、さらに最近京都市伏見区での発生が確認された。。府外では、ごく近年、兵庫県三田市などで偶発的に多数発生した。その事情は不明ながら、著しく散発的で、希少種であることに変わりはない。バッタ類を狩るので、獲物の条件が悪化しているとは考えにくく、元来撹乱された裸地を利用して営巣する種で植生が発達するとみられなくなるのかもしれない。

必要な保全対策

河川敷等の適度な撹乱が起こる環境の保全。

文献 木村(1936)、常木(1942)、Tsuneki(1976)、遠藤(1991)

執筆者 遠藤彰、松本吏樹郎

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