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翼手目キクガシラコウモリ科

キクガシラコウモリ

Rhinolophus ferrumequinum (Schreber, 1774)
京都府カテゴリー

準絶滅危惧種 

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー なし

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選定理由

生息洞窟の減少や消滅などによる生息環境の悪化によって、個体数が激減している。

形態

鼻部が菊の花を想像させるので、「きくがしら(菊頭)」という名がつけられ、これがこの科のコウモリの特徴である。翼の形は幅の広さの割に長い。

◎近似種との区別 コキクガシラコウモリ種の前腕長が約40mmであるが、本種は60mm前後と大型である。

分布

北海道、本州、四国、九州のほかいくつかの島部。

◎府内の分布区域 これまでに知られていた当時の瑞穂町や京北町以外にも、新たに舞鶴市、福知山市、船井郡京丹波町、京都市、相楽郡和束町から生息が知られ、京丹波町では幼獣も観察された。

生態的特性

昼間は洞窟を隠れ家にし、50~数百頭の群れをつくる。時々、少数の群れが家屋を利用することも知られる。夕方に隠れ家から飛び出して、飛翔する昆虫類を採餌する。はじめて出産するのは通常満3歳である。寿命は長く、20年以上生きた例も知られる。昆虫類が飛ばない冬期には冬眠する。

生息地の現状

京丹波町質志鍾乳洞や京都市右京区京北下中町新大谷マンガン廃鉱で発見例があったが、いずれも1~5頭である。どちらもそこには常駐せず、時々数頭のみ見かけるという状況であり、もちろん繁殖をしていない。一方、南丹市美山町京都大学芦生研究林では林内を飛翔しているのが1回のみ発見されたので、林内にあるというマンガン廃鉱を昼間の隠れ家にしている可能性が高いが、未確認である。本種は通常は数百の群れをつくるが、京都府ではそのような群は発見されていなかった。しかし、2003年以降、新たに舞鶴市の3つの戦跡、福知山市の2つの隧道など、京丹波町の導水路、京都市右京区の隧道と放棄人工洞、和束町の廃坑から生息が確認された。しかも京丹波町では、50頭もの幼獣が見つかり、繁殖していることが明らかになった。これら新たに発見された洞窟での生息確認数は1~100頭であり、ほとんどが30頭を越える群れであった。すなわち、もっと調査が進めば、100頭を越えるような大きな群れは少ないかも知れないが、京都府全域から生息が確認される可能性もあり得る。

生存に対する脅威

鍾乳洞など洞窟の環境悪化、洞内での人による妨害。人工洞の消失。

必要な保全対策

昼間の隠れ家である鍾乳洞や鉱山廃鉱などの洞窟類の環境を変えない。コウモリが利用する洞窟に人が入らない、洞内でたき火を絶対にしないようにする、懸下するコウモリに灯りを照らさない、及び触らないようにする。そのために、コウモリが利用する洞窟に、人が入れないような、しかしコウモリが通れるような扉を設ける。観光鍾乳洞の場合は、コウモリの一年を通した移動や個体数変動を調べて、観光客のための灯りを確保する場所を決定する、及びコウモリの移動や懸下が妨げられないようにする。

改訂の理由

新たに舞鶴市、福知山市、京丹波町、京都市、和束町で生息が確認され、京丹波町では幼獣も観察されたため。

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