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京都府レッドデータブック2015

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コナラ群落

分類

暖温帯落葉広葉樹林

特徴

照葉樹林帯での代償植生はコナラ群落に代表される。コナラは薪炭材としても利用され、適度に利用すれば萌芽して再生するために、集落の周辺にある薪炭林の多くはコナラ群落である。里山と呼ばれる林は、もちろん地域によってその構成樹種は異なるがその多数はコナラ群落である。コナラ群落は過度に伐採すると乾燥が激しくなってアカマツ等の比率が高くなり、放置するとアラカシやソヨゴ等が侵入して荒れた様相の林となる。関西では関東の雑木林のような徹底した管理は行っていなかったようであるが、管理をされたコナラ群落はコナラ、リョウブ、クリ、アカシデ等を含み、適度な亜高木層も存在する明るい群落である。近年は薪炭林としての利用をする事がなくなっているために、大径木化し、さらに林床に常緑樹がはいり、亜高木層、低木層も混みあった林を見る事が多い。しかし、かつてよく手入れをされていたコナラ群落は、伐採をやめるとまるでブナ林のように見えるコナラの大径木の林となる。このような比較的手入れがされている規模の大きなコナラ群落は、くらしの周囲にある最も身近な林として改めて注目を集めており、自然環境について改めて考え直したり、またコナラ群落から得られる材や果実、山菜などを活用する事で生活を振り返る機会とするというような社会教育的な場としても活用されはじめており、このようなかつての普通の林である里山に目を向け、大切に残す事は重要な課題である。

分布

コナラは北海道南部から本州、四国、九州の全域に分布している。しかしコナラが二次林として群落を作るのは、やはり照葉樹林帯においてである。府内では、リスト化されているのは、南部地域が多い。これは市街地の周囲に残されていた里山に適度に人が入って、管理されないまでも明るいコナラ群落の状態で保全されていたためであろうと思われる。

保存に対する脅威

コナラ群落は人が活用することで成立していた群落であり、本来は放置するとその姿は変わっていく。意図的にこのような林を保存していくために対策が必要となるだろう。コナラは大径木化すると萌芽しにくくなるため、萌芽更新が困難となる。また、近年、人手が入らなくなり大径木化したコナラがカシノナガキクイムシによる被害を受け枯損している。もっとも人々との関わりのある里山に拡がる群落であるため、適正な保全技術をもって、コナラ群落を回復させることを運動として行うことによって、自然と人間との関わりのあり方についての方向性を見いだすことができるであろう。

府内での分布と京都府カテゴリー

京都府内の分布 京都府カテゴリ-
中丹地域 養老山南南西2Km 綾部市市志町 管理維持
  福知山市上佐々木 管理維持
京都市・乙訓地域 雲母坂中腹 京都市左京区比叡山 要保全対策
修学院 京都市左京区修学院 管理維持
広河原町 京都市左京区広河原町 管理維持
深泥池東岸 京都市北区深泥ヶ池 要保全対策
吉田山 京都市左京区吉田 管理維持
宝ヶ池南 京都市左京区宝ヶ池 要保全対策
山城地域 多々羅 京田辺市多々羅 管理維持

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