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京都府レッドデータブック2015

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地質

にしやまきゅうりょうのおおさかそうぐん

西山丘陵の大阪層群

京都府カテゴリー

消滅寸前

2002年版 消滅寸前 2002年版を参照する
京都市西京区、向日市、長岡京市、乙訓郡大山崎町

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分類

堆積物

細分

河湖内湾成層

時代区分

新生代第四紀更新世

地域

京都市西京区、向日市、長岡京市、乙訓郡大山崎町

選定理由

京都盆地西部丘陵の大阪層群は深草のそれよりも大阪湾からの海進の影響を受けている。

分布

大阪層群と高位段丘堆積物は近畿各地に分布する。京都盆地西部の丘陵をつくる。

特徴(特異性)

京都西山山地の地質を研究した中村ほか(1936)は、山麓丘陵の洪積層も研究し、下位より石見上里粘土層、樫原砂礫層、向日町礫層とした。近畿の鮮新─更新統は大阪湾が広がった時期の内湾底泥層を幾層も挟んでいて、大阪層群と呼ばれている(大阪層群研究グループ 1951、市原ほか1955、市原 1960)。向日町丘陵は背斜構造をした大阪層群でできており、第2海成粘土層(Ma 2)から第6海成粘土層(Ma 6)までの5層の海成粘土層を挟んでいる。小畑川西方の大原野台地は(地層がほぼ水平に広がっている。長峰─光明寺にかけては北西─南東方向の断層に沿ってピンク火山灰から上へMa 2~Ma 7が北東へ急傾斜している。小塩付近はピンク火山灰とMa 2を挟む大阪層群下部層が基盤岩の上に広がっている。南部の長岡京市西部は、基盤近くは断層沿いに急傾斜しているが、基盤山地から離れるとすぐ地層は水平に近くなる。ここではMa 1~Ma 7の7層の海成粘土層が明らかになっている。火山灰層は下位からピンク(Ma 1の上位)、山田(Ma 2に挟まれる)、上桂(Ma 2とMa 3の間)、アズキ(Ma 3に挟まれる)、深草(Ma 4の上位)、八町池(Ma 5に挟まれる)、サクラ(Ma 7の下位)の7層を認め、灰方南方でイエロー火山灰(千里山丘陵のMa 0層準、よしみねゴルフ場のシカ化石の項参照)を認めた(西山団研グループ 1967、那須、市原 1993)。

京都盆地の地下地質は、西山丘陵と深草の丘陵の大阪層群の知識によって推測される。

現状

洛西ニュータウンをはじめ、大規模開発が進んでいる。

地質文献一覧

執筆者 石田志朗

御陵大原の工事現場

御陵大原の工事現場。北から南をみる。海成粘土層と、砂・粘土層が京都盆地側へ東傾斜している。1991年8月12日 石田志朗撮影

大阪層群と高位段丘堆積物

向日市物集女町 大阪層群と高位段丘堆積物。1971年12月 石田志朗撮影

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