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は虫類概要



 は虫類概要


1.京都府のは虫類相
 これまでに京都府から確認されているは虫類は、カメ目2科5種、トカゲ目5科11種の合計7科16種であるが、
これらのうち、2種を除くすべてが近年その分布域、個体数を激減させているか、生息情報の詳細が把握できて
いない。
 府内における生息の現況を見ると、水陸の生息環境を必要とするカメ類は、河川の整備や護岸工事の影響で産
卵場所が減少したり、道路建設や宅地化によって水田や湿地環境が消失し、大きな打撃を受けている。河川の水
質の汚濁も悪影響を及ぼしていることは言うまでもない。また、産卵場所への移動の際に生じる交通事故死例も
見過ごすことができない。この他、かつてはそれほど問題にならなかった、商業目的の大量捕獲が行われ、シロ
イシガメやクサガメの個体数減少に拍車をかけている。さらに、移入種ミシシッピアカミミガメは各地で在来種
と競合し、これを駆逐しているようだ。クサガメでは同種ながら、遺伝的に異なる中国産が輸入され、各地で遺
伝子汚染を引き起こしている。
 トカゲ・ヘビ類もまた環境変化の影響を直接、間接に被っている。とりわけ水田地帯に生息するシマヘビ、ヤ
マカガシなど、かつての普通種はどれも、水田そのものの減少や圃場整備により、隠れ家などの微環境が消失し
ただけでなく、両生類などの餌動物が減少したため激減している。事情は山地でも同じで森林伐採などは、トカ
ゲ・ヘビ類に大きな影響を及ぼしているし、市街地では石垣が減少したため、トカゲの姿を見ることも容易でな
くなっている。
 ヘビ類の中で、タカチホヘビ、シロマダラ、ジムグリ、ヒバカリは夜行性であったり、目立ちにくいこともあ
って、その生息状況は完全に情報不足である。


2.種の選定基準
 今回の選定に当たって以下の12項目を設け、それぞれの種の希少度を評価することとした。
(1)国、京都府、市町村指定の天然記念物及び環境庁(省)レッドリスト2000年版に掲載されている。
(2)全国的に発見例が少ない。
(3)府内では発見例が少ない。
(4)京都府が全国的な分布の限界になっている。
(5)京都府に基準産地がある。
(6)府内における分布が局限されている。
(7)限定された環境を生息場所としているため、環境変化に弱く減少傾向にある。
(8)かつては府内外に普通に見られたが、環境変化により近年著しく減少している。
(9)府内の特定の地域において著しく減少している個体群を含む。
(10)環境指標性が高い。
(11)変異の分析ができておらず、今後の解明を必要とする。
(12)選定評価するだけの資料がない。

 原則的にこれらのうち、3項目以上に該当するか、2項目以下でも項目(8)か(12)を含む種、項目(5)、
(9)に該当する種を、レッドリスト掲載候補種とした。


3.選定種の概要
 以上の基準に基づいて検討した結果、京都府産のは虫類のうち、カナヘビと移入種ミシシッピアカミミガメを
除くすべての種を、今回京都府レッドデータブックに掲載することになった。カテゴリーを検討した結果、は虫
類には絶滅寸前種、絶滅危惧種と考えられるものはなかったものの、府内に生息するは虫類が、全体として多く
の問題を抱えていることが明らかになったのである。
 カメ目では、イシガメ科のシロイシガメを準絶滅危惧種に、やはりイシガメ科のクサガメとスッポン科のスッ
ポンを要注目種に選定した。このうち、スッポンは環境省カテゴリーで情報不足種に選定されているものである。
一方、トカゲ目では、トカゲ科のトカゲ、ナミヘビ科のタカチホヘビ、シロマダラ、ジムグリ、シマヘビ、アオ
ダイショウ、ヒバカリ、ヤマカガシ、クサリヘビ科のマムシを要注目種相当とした。
 これらのうち、準絶滅危惧種のシロイシガメのみは、分布域の一部で、一応の保護がなされているが(京都市
指定天然記念物)、残りのすべてについては、現状では保護や保全が問題にされてさえいない。これらはすべて、
近い過去には普通種だったものだが、現状のままでは、近い将来により高位のランクに選定し直さざるを得なく
なるであろう。今回、レッドデータブックに掲載された、これらすべてのは虫類について、早急な保護対策が必
要である。なお、外来種の府内への侵入はミシシッピアカミミガメにとどまらず、最近のペットブームの影響で
今後多くの種が定着するおそれがあるので、何らかの早めの対策が必要であろう。


4.凡例
分類群の名称については原則として日本産野生生物目録(環境庁1993)に準拠したが、学名については最新の
知見を採用した。また同一カテゴリー内での配列順序については系統分類学的関係を考慮した。



                                執筆者 松井 正文
	



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