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マグソクワガタ Nicanus japonicum Nagel , 1934

+ 基礎データ +

項目の解説.....
分類群 昆虫類
目名 鞘翅(コウチュウ)目
科名 クワガタムシ科
マグソクワガタ画像



+ カテゴリー +

(各カテゴリーをクリックすると解説を表示します)
京都府カテゴリー 絶滅寸前種
環境省カテゴリー なし


+ 詳細 +

項目の解説.....
選定理由 本種の生息地は上流部にブナやミズナラなどの豊かな原生林を有する河川の中〜下流域にある目の細かな砂の堆積した河川敷に限られ、全国的に見ても分布は極めて限定される。特に分布の西限に近い近畿地方では既知の生息地は数カ所しかなく、府内では2ヶ所しか生息が確認されていない。
形態 体長はメスの方が大きく、オスで6.0〜8.0mm、メスで8.0〜10.0mm程度。体型は長円型で背面は赤褐色で腹面は黒い。背面の毛はオスの方が長く密に生える。メスは毛がまばらで点刻が強い。雌雄ともに大腮が全く発達せず、一見するとコガネムシのように見える。オスでは触角片状部が発達し、一方、メスでは前肢脛節が幅広くなるなどの性差が見られる。幼虫の頭部は黄褐色で頭幅2.5mm程度。肛門孔は3葉片で囲まれる。
◎近似種との区別
近縁ではないが、成虫の外見がよく似ているコブスジコガネ類とは触角の第1節が湾曲せず内側の剛毛がまばらであること、側面から見た時に鞘翅外縁から腹部が飛び出して見えるなどの点で区別がつく。
分布 北海道・本州(西限は広島県)。近隣では福井、三重、奈良、兵庫の各県から記録がある。
◎府内の分布区域
府内 の記録は芦生と大悲山の2ヶ所しかなく、しかも後者は1例報告のみである。
生態的特性 芦生の由良川河川敷の発生地では、4月下旬〜5月下旬の良く晴れた無風状態の昼間に多数の成虫が河原のヨシなどの間を低く飛び回っているのが観察されるが、ほとんどがオスでメスの個体数は極めて低い。メスはフェロモンを使ってオスを誘因するようで、草の葉上やヨシの茎にとまったオスが発達した触角片状部を盛んに動かしてメスを探索している姿をよく見かける。時として1頭のメスに誘因された多数のオスが群がっている様子も観察できる。幼虫は河川敷の砂に半ば埋まった流木片や枝に穿孔するが、特に軟腐朽材(半ば土に埋もれた泥状の腐朽材)や腐朽のかなり進んだ白色腐朽材に多い。産卵に際してメス成虫は材にトンネルを掘る。幼虫は砂の中を材から材へと自力で移動することもある。羽化後の新成虫は、そのまま蛹室内で越冬し翌春に活動する。
生息地の現状 芦生での観察では、良好な環境にある発生地での個体数は多いが、連続する広い河川敷の中で本種が見られるのは最大規模の発生地でも長さ10数メートル、幅数メートル程度の極めて狭い範囲でしかなく、本種の発生条件の厳しさをうかがわせる。成虫の飛翔能力は弱く、発生地に依存した生活を送っているものと推定されるが、芦生では河岸の道路工事の影響で川の流れが変わり、水没・消滅してしまった発生地がある。
生存に対する脅威 発生地の河川敷は河川改修やダム建設、河岸の道路工事などによって直接的に、また、水流の変化などの結果として間接的にも簡単に失われてしまう。また上流域における伐採や堰の建設なども発生木の供給に悪影響を与え得る。生息地の河原におけるキャンプなどで生息木や将来の生息木となり得る枯木が燃料として燃やされてしまう可能性もある。
必要な保全対策 本種の保全においては、直接の発生地である河川敷はもちろん、幼虫の餌となる流木の供給源である川の上流部の森林、及び供給源から発生地に至る河川全体の保全を念頭に置く必要がある。場合によっては、生息河川敷におけるキャンプ禁止などの措置も必要であろう。さらに留意すべきは、小型種である上に成虫の発生時期が1カ月程度と極めて短いため、生息が確認される前に環境が破壊されてしまうおそれが多分にある点であり、新産地が見つかる可能性がある丹後半島をはじめとする府北部地域での今後の早急かつ精力的な調査の実施が望まれる。
その他 日本固有種

文献:芦田(1991) 荒谷(2001) 細川(1985) 井岡(2001) 京都昆虫研究会(1991) 水沼・永井(1994) 田花・奥田(1992)  
執筆者:荒谷 邦雄
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