| 選定理由 |
北海道から九州まで広く分布するが、数ヶ所の産地しか知られておらず、近畿地方では大台ヶ原、滋賀県朽木村と京都府の産地からしか知られていない希少種である。植物体が小さいため発見されにくいことが既知の産地が少ない原因の一つと考えられるが、希少種であることは間違いなく、その生育環境は慎重に保全する必要がある。 |
| 形態 |
植物体は小さく、長さ１cm内外。葉は茎に斜めにつき、丸みを帯びた四角形で、葉先は浅く湾状に切れ込み、裂片は円頭。花被は倒円錐状で、葉よりかなり大きな雌包葉に包まれ、ペリギニウムがよく発達する。
◎近似種との区別
ヤハズツボミゴケを除く本属の他の種からは、葉先が切れ込むことによって容易に区別することができる（ヤハズツボミゴケの項を参照）。 |
| 分布 |
北海道から九州までの数ヶ所に分布する。
◎府内の分布区域
京都大学芦生演習林内の2ヶ所からの報告がある。 |
| 生態的特性 |
ブナ帯の渓谷中の半ば水に浸かった岩上や湿った岩上に小さなマットを形成する。 |
| 現状・脅威・対策 |
2ヶ所の産地とも自然がよく保全された渓谷中の岩上であるが、今回の調査では確認できなかった。渓谷中の流路が変わるような河川の改修や生育地周辺の樹木の伐採が脅威となる。渓谷の改修等に際しては、流路や流量の変化が起こらないような配慮が必要。 |
| その他 |
日本固有種 |
