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ミズグモ Argyroneta aquatica (Clerck 1758)

+ 基礎データ +

項目の解説.....
分類群 クモ類
目名 クモ目
科名 ナミハグモ科



+ カテゴリー +

(各カテゴリーをクリックすると解説を表示します)
京都府カテゴリー 絶滅危惧種
環境省カテゴリー 絶滅危惧II類(VU)


+ 詳細 +

項目の解説.....
選定理由 旧北区に広く分布するが、生息密度が低く、日本でも生息地が非常に少ないため。北海道のものは、ヨーロッパとは異なる亜種であるという(小野、私信)。
形態 体長メス8〜15mm、オス9〜12mm。褐色で、腹部と歩脚に長毛が密生している。
分布 旧北区の亜寒帯と温帯に広く分布するが、生息密度は低い。北海道(釧路市など数箇所)、本州(青森県、京都府)、九州(大分県、鹿児島県)で採集されている。府内での採取は深泥池(京都市)のみ。
生態的特性 本種は、水中で生活する唯一のクモである。水中で呼吸するための特別な器官はないが、身体に密生している軟毛に空気を付着させることによって、水中での呼吸が可能になっている。水中の水草に糸を張り渡して円錐形の巣を作る。水面から運んだ空気をその下に蓄え、ドーム型の住居をつくって棲む。主に水生昆虫を餌としていると思われる。摂食・脱皮・交尾・産卵はすべて、空気のドームの中で行われる。飼育によれば、本種は夜行性であり、日中は住居内で休息している。観察期間中、ミズグモが水上に出ることはなく、移動はもっぱら水中遊泳によるものであった。深泥池のミズグモは3つのサイズグループに分かれており、足かけ3年で成体になるものと思われる。
生息地の現状 北海道では数箇所での生息が確認されているが、十分な調査は行われていない。海岸部など標高の低い沼沢地に生息している場合が多く、埋立てや水質の悪化のために、本種の生息地は急激に減少していると思われる。本州では、津軽半島の池と京都市の深泥池のみで発見されているが、津軽半島では池の水質が悪化しており、生息密度はかなり減少している。九州でも、大分県と鹿児島県の池で発見されているが、その後の調査で本種の生息は確認されていない。各地の生息地の情報を総合すると、泥炭が堆積しミズゴケが繁茂するなどの特徴を持つ貧栄養的な湖沼が、基本的な生息地と思われる。
生存に対する脅威 深泥池では1930年に池の岸近くから採取したタヌキモの中から発見されたが、その後の発見(1977,1982,1993,1996)はいずれも池中央の浮島からであった。深泥池は池全体が天然記念物となっているが、釣り人の撒き餌などによって富栄養化が進み、外来動植物が侵入するなど、生態系の変質が危惧されている。
必要な保全対策 釣り禁止措置の徹底や外来生物の除去など、継続的な管理が必要である。

文献:岸田(1931) 岸田(1933) 常木(1951) 八木沼(1977) 八木沼ほか(1981) 桂(1982) 加村(1992) 西川(1993) 西川ほか(1977) 吉田(1994) 松田・柴多(1995) Masumoto et al.(1998a) Masumoto et al.(1998b) 
執筆者:吉田 真
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