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冠島調査
執筆者:細谷 和海

調査日平成11(1999)年9月10日(金)〜12日(日)
場 所冠島(舞鶴市冠島)地図
参 加昆虫 II(吉安裕、金野晋)
昆虫 III分科会(荒谷邦雄、藤井伸二、北山健司)
調査目的 冠島は国の天然記念物として厳重に管理され、人の立入が制限されてきたため、 手つかずの自然が残されている。しかし、これまでオオミズナギドリをはじめ、 鳥類の生息生態については把握されてきたが、その他の分野についてはほとんど 調査されていない。そのため、冠島における野生生物の生息状況などを 把握することとし、昆虫類を中心に調査を行った。
冠島遠景
(冠島遠景)
冠島遠景
(冠島遠景)
海岸部
(海岸部)
タブ林内のオオミズナギドリ営巣地
(タブ林内のオオミズナギドリ営巣地)

調査内容


昆虫 III分科会    執筆者:荒谷 邦雄

概 要
 平成11年9月10日(金)〜12日(日)に2泊3日をかけて調査を実施した。本調査では、冠 島がタイプ産地でありながら原記載に用いられた1951年採集の2頭の標本以外には知られて いないカンムリメクラチビゴミムシ(Trechiama insularis )の再発見と、やはり冠島から 1955年に記載されたカンムリセスジゲンゴロウ(Copelatus kammuriensis)の生息状況の確 認を第一の目標に、冠島における甲虫類及び直翅類相の調査を行った。
調査方法
 調査期間の前半を海岸部、後半を森林部に大きく振り分け、調査区域を徒歩で移動しなが ら調査を行った。ただし、島全体がオオミズナギドリの繁殖地として保護されている現状を 考慮し、巣の踏み抜きを避けるためにオオミズナギドリの巣が多数存在する森林内での調査 はかつての砲台跡にいたる小路に沿った区域を重点的に調査するにとどめた。 調査区域において、昼間は大型種に関しては目視による観察、捕虫網等による採集を、 小・中型種に関しては捕虫網によるスィーピングや叩き網を使用した採集を行った。また、 地表や落葉中の微少甲虫類は篩(ふるい)を用いて選別・採集を行った。水生甲虫類に関し ては水網による捕獲を試みた。瓦礫や腐朽材中の甲虫相の調査も行った。 夜間は海岸部でライトトラップによる調査を行った。さらに、オオミズナギドリの繁殖コ ロニーという特殊な生態系中に存在する昆虫相を想定し、オオミズナギドリの死体や嘔吐物 などに関する重点的な調査も行った。
調査結果
 カンムリメクラチビゴミムシとカンムリセスジゲンゴロウに関しては、残念ながら両種と も生息個体を現認できなかった。しかし、後者に関しては生息個体は現認できなかったもの の、以前に生息が確認された冠島の南西部にあるヨシの茂る湿地は現在も良好な状態で保た れていたことと、本種の生態的特性として、一般に、大きな河川の河川敷や荒れ地 の水たまりなど不安定な水域に生息し、よく飛翔して移動することが知られていることを考 えあわせれば、冠島の個体群は現在もおそらく安定して存在しているものと推定された。こ れに対し、前者に関しては、近縁のメクラチビゴミムシ同様、渓流沿いの地下浅層に生息す るものであろうと推定されるが、今回の調査ではそうした環境自体を確認することができな かった。今後の再調査を期待したい。 また、今回の調査ではコブスジコガネ2種やエンマコガネ類、大型のカマドウマなどの腐 食性の種が高い密度で生息していることが判明したが、これはオオミズナギドリ繁殖コロニ ーという特殊な生息環境を反映したものと考えられた。 さらに、今回の調査によって以下の興味深い種の生息を確認することができた。いずれの 種も良好な海岸環境の存在を特徴づけるものである。


◎イソチビゴミムシ(Thalassoduvalius masidai masidai
 京都府初記録。日本国内における既知の産地は極めて散発的で、今回の記録は基準産地の 島根県浜田市を大きく越える日本海側における東限記録となる。この成果はすでに専門学会 誌に報告済み。京都府レッドデータブックでは絶滅危惧種に指定された。

◎ウミコオロギ(Parapteronemobius sp.)
 最近2種類あることがわかったが,幼虫なのでどちらに該当するか不明。:冠島・京都府 初記録、日本海側では山口県に次いで2例目。京都府レッドデータブックでは要注目種に指 定された。

◎イソカネタタキ(Ornebius bimaculatus
 冠島・京都府初記録。京都府レッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定された。



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