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修学院離宮調査

調査日第1回 平成11(1999)年9月14日(火)午前10時〜午後4時
第2回 平成11(1999)年9月21日(火)午前10時〜午後4時
場 所修学院離宮(京都市左京区修学院
上離宮の浴龍池及びその周辺)
地図
参 加
9月14日: 淡水魚類分科会(細谷和海、細谷ゆみ、足羽 寛、辻野寿彦)
貝類分科会(中井克樹、石田未基、大谷ジャーメンウィリアム)
保健環境研究所
9月21日: 昆虫 II分科会(吉安裕、藤井恒、田端修、金野晋)       
昆虫 III(荒谷邦雄)       
両生・は虫類分科会(松井正文)      
基盤地質・鉱物分科会(武蔵野實)
調査目的 修学院離宮は、明暦2(1656)年に後水尾上皇によって造営されて以来、皇室ゆかりの地と して厳重に管理されてきたため、これまで学術的な生物調査はほとんど行われていない。そ こで、上離宮とその周辺における野生生物の生息状況や地質・岩石の現状などを把握するた め、昆虫類、両生・は虫類、淡水魚類、貝類、地質の研究者が合同で現地調査を行った。
修学院離宮 平面図
(修学院離宮 平面図)
修学院離宮浴龍池全景
(修学院離宮浴龍池全景)

調査内容


[1]淡水魚類分科会    執筆者:細谷 和海

調査者 細谷和海、足羽 寛、辻野寿彦
概 要
比叡山の麓に位置し、宮内庁により管理されている修学院離宮は、一般市民の立ち入りも 制限されている。そのため、周辺環境も自然度が高く、在来魚の生息環境として適している と考えられることから選定し、調査地を行った。

調査結果
:淡水魚類相の概要

1.採集方法: 網モンドリ10個、セルビン1個、投網1枚、追い込み網1枚、たも網3個
2.水温: 27.0℃
3.採集魚種: タモロコ Gnathopogon elogatus elongatus 73個体 22.2〜41.7mm SL
モツゴ Pseudorasdora parva 30個体 20.5〜52.0mm SL
4.確認魚種: コイCyprinus carpio(目視)
ソウギョ* Ctenopharyngodon idellus(目視)

※標準和名の右肩に*印がついているものは外来種(亜種を含む)


5.浴龍池は水深が0.5〜1mで浅く、泥底、水生植物はほとんど見あたらない。護岸は必ず しも人工的ではないが、魚類の隠れ場となるような植物の覆いは少ない。一般市民の立ち 入りが制限されていることから、近隣の希少魚を隔離するには適していると考えられた。

魚類調査
(魚類調査)
浴龍池への網モンドリの設置
(浴龍池への網モンドリの設置景)
モツゴ
(モツゴ)
タモロコ
(タモロコ)

調査内容


[2]昆虫 III分科会   執筆者:荒谷 邦雄

調査者 荒谷邦雄
調査方法  大型種に関しては目視による観察、捕虫網等による採集を、小・中型種に関しては捕虫網 によるスィーピングや叩き網を使用した採集を行った。また、水生甲虫類に関しては水網に よる捕獲を試みた。さらに、腐朽材中の甲虫相の調査も行った。
調査結果  敷地内にはカシやクヌギ、モミなど大径木が保存されており、これを反映して多数の樹液 食性の甲虫類の生息を確認することができた。特に、狭い園内から京都府レッドデータブッ クでは絶滅寸前種に指定されたオオクワガタをはじめ、暖地性のネブトクワガタやチビクワ ガタ、山性のスジクワガタやアカアシクワガタなど背景にそびえる比叡山系全体を記録され ている9種のクワガタムシがすべて発見されたことは驚くべきことである。 また、この他、園内のアラカシにカシルリチョッキリの加害がかなりの率で見られたこと も特筆される。

調査内容


[3]基盤地質・鉱物分科会   執筆者:武蔵野 實

調査者 武蔵野 實
概 要 上離宮の地質及び庭園に用いられている岩石についての調査を行った。
調査結果 特筆すべき点についてのみふれる

1.基盤地質について
上離宮東方の山地は大文字花崗岩体が基盤をなしており、窮邃のある中島及びその東岸 に風化した花崗岩の露頭が認められる。 これに対し、千歳橋を越えた万松塢のある中島は剪断の著しい頁岩及びチャートから構 成されている。特にこの中島に東側に付随する二つの小島には断層破砕帯と思われる剪断 された黒色頁岩が見られる。 これらのことから、窮邃のある中島と万松塢のある中島との間には断層が存在するもの と想定され、これは東山と京都盆地を画する花折断層の一部に対応している可能性があ る。

2.被覆層について
浴龍池の北側斜面に小規模の崩壊が見られる。ここには更新世後期と推定される未固結 層が分布する。それは角礫ないし亜角礫のチャートや円磨された砂岩を含み粘土を基質と した礫層である。花崗岩礫を全く含まないことから、東側斜面より由来したものではなく、 高野川系の北方から由来した堆積物であることが想定される。また不淘汰で乱雑な堆積層 であることから、土石流的な段丘堆積物であることが想定される。

3.庭園に用いられた岩石について
用いられている岩石の多くは、花崗岩、砂岩、チャート、ホルンフェルスであり、東山あ るいは京都市周辺部に分布するものである。ホルンフェルスには菫青石を含むものがある。 特殊なものでは、浴龍池の北西端の船着場で3個の結晶岩石が用いられている。2個は 緑色片岩のようであるが、1個は紅色を呈する石英片英であり、これは紅簾石石英片片で あるとすると、四国中部から運ばれたものである。





[4]確認種リスト   

1 昆虫類(73種)

トンボ目 イトトンボ科 アジアイトトンボ
カワトンボ科 ハグロトンボ
オニヤンマ科 オニヤンマ
ヤンマ科 ギンヤンマ、ミルンヤンマ
エゾトンボ科 オオヤマトンボ、タカネトンボ
トンボ科 シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、
コシアキトンボ、ナツアカネ、アキアカネ、ノシメトンボ、
マイコアカネ、ミヤマアカネ、リスアカネ、ネキトンボ
セミ目
  (鳴き声を含む)
セミ科
  セミ亜科
アブラゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ
アメンボ科 シマアメンボの一種、アメンボ
コウチュウ目 クワガタムシ科
  チビクワガタ亜科

  クワガタムシ亜科



チビクワガタ

ネブトクワガタ、オオクワガタ、ミヤマクワガタ、コクワガタ
スジクワガタ、アカアシクワガタ、ノコギリクワガタ、
ヒラタクワガタ
コガネムシ科
  ヒラタハナムグリ亜科

  ハナムグリ亜科

  カブトムシ亜科

ヒラタハナムグリ

シロテンハナムグリ

カブトムシ、コカブトムシ
タマムシ科
  タマムシ亜科
ウバタマムシ、タマムシ
コメツキムシ科
  オオコメツキ亜科
ヒゲコメツキ
ケシキスイ科
  オニケシキスイ亜科
ヨツボシケシキスイ
オオキスイムシ科 ヨツボシオオキスイ
ゴミムシダマシ科
  キマワリ亜科
キマワリ
カミキリムシ科
  ノコギリカミキリ亜科

  クロカミキリ亜科
  カミキリ亜科

ウスバカミキリ

クロカミキリ

ミヤマカミキリ
オトシブミ科
  チョッキリゾウムシ亜科
ハイイロチョッキリ、カシルリチョッキリ
チョウ目
  (目撃種を含む)
ホソハマキモドキガ科 キモンホソハマキモドキ
マダラガ科
  ホタルガ亜科
ホタルガ
メイガ科
  ノメイガ亜科
  ミズメイガ亜科

コブノメイガ、イノモトソウノメイガ(食痕)

ヒメマダラミズメイガ
セセリチョウ科 イチモンジセセリ
アゲハチョウ科 アオスジアゲハ、モンキアゲハ、アゲハ
シロチョウ科 キチョウ、スジグロシロチョウ、モンシロチョウ
シジミチョウ科 ウラナミシジミ、ヤマトシジミ
ウラギンシジミチョウ科 ウラギンシジミ
タテハチョウ科 ツマグロヒョウモン、コミスジ、キタテハ、アカタテハ(幼虫)
ジャノメチョウ科 クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、クロコノマチョウ、ヒメジャノメ
サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ
スズメガ科 フクラスズメ
ヒトリガ科
  コケガ亜科
ホシオビコケガ
ヤガ科
  クルマアツバ亜科
フジロアツバ

12 クモ類(15種)

クモ目      トタテグモ科キシノウエトタテグモ、キノボリトタテグモ
ウズグモ科オウギグモ
ヒメグモ科オオツリガネヒメグモ、オナガグモ
サラグモ科アシヨレグモ
コガネグモ科ハツリグモ、コガタコガネグモ、ギンメッキゴミグモ、ヤマジドヨウグモ
アシナガグモ科コシロカネグモ、ヤサガタアシナガグモ
ハタケグモ科ヤマハタケグモ
フクログモ科コムラウラシマグモ
アワセグモ科アワセグモ

3 陸産貝類(15種)

ニナ目      ヤマタニシ科ミジンヤマタニシ
ムシオイガイ科ミヤコムシオイガイ
ゴマガイ科ヒダリマキゴマガイ
マイマイ目      キセルガイ科ナミコギセルガイ
オカクチキレガイ科オカチョウジガイ
ナメクジ科ヤマナメクジ
ベッコウマイマイ科ヒメベッコウの一種、マルシタラ、キビガイ、カサキビガイ
ナンバンマイマイ科ニッポンマイマイ、ヤマタカマイマイ
オナジマイマイ科クチマガリマイマイ、オオケマイマイ、クチベニマイマイ

4 淡水産貝類(5種)

ニナ目タニシ科ヒメタニシ
カワニナ科カワニナ
オオカミガイ目モノアラガイ科ヒメモノアラガイ
イシガイ目イシガイ科ドブガイ
シジミ科マシジミ

5 淡水魚類(2種)

コイ科コイ(目視)、ソウギョ(目視)、タモロコ、モツゴ

6 両生類(6種)

サンショウウオ目イモリ科イモリ
カエル目アマガエル科ニホンアマガエル
アカガエル科タゴガエル、トノサマガエル、ツチガエル
アオガエル科モリアオガエル(聞き込み)

7 は虫類(8種)

カメ目イシガメ科シロイシガメ
スッポン科スッポン
トカゲ目ヤモリ科ヤモリ
トカゲ科トカゲ
カナヘビ科カナヘビ
ヘビ科シマヘビ(聞き込み)、アオダイショウ(聞き込み)、ヤマカガシ(聞き込み)




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