新型インフルエンザQ&A
Q1.新型インフルエンザとは何か。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。ヒトだけでなく、他の動物もインフルエンザウイルスに感染します。通常、インフルエンザウイルスは、例えばヒトからヒトへといった同種の間で感染するものです。
しかし、インフルエンザウイルスの性質が変わる(変異する)ことによって、これまでに、ヒトに感染しなかったインフルエンザウイルスが、ヒトへ感染するようになり、そしてさらにはヒトからヒトへ感染するようになります。この変異したインフルエンザウイルスのことを新型インフルエンザウイルスといい、そのウイルスによって起こるインフルエンザを新型インフルエンザといいます。
Q2.これまでに新型インフルエンザの流行はあったか。
新型インフルエンザとして、大正7年(1918年)に「スペインインフルエンザ」、昭和32年(1957年)に「アジアインフルエンザ」、昭和43年(1968年)に「香港インフルエンザ」、昭和52年(1977年)に「ソ連インフルエンザ」が流行しています。これらはいずれも世界的に流行し、多くの死亡者(たとえば、「スペインインフルエンザ」において、世界では約4,000万人、わが国では約39万人が死亡)を出しました。新型インフルエンザは、10年から40年の周期で流行するといわれています。
しかし、新型インフルエンザウイルスがいつ出現するのか、予測することはできません。
(注:これまで一般に、スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜ、ソ連かぜと表記してきたものについては、本資料では、それぞれ、スペインインフルエンザ、アジアインフルエンザ、香港インフルエンザ、ソ連インフルエンザと表記しています。)
Q3.なぜ、新型インフルエンザの世界的流行の可能性が指摘されているのか。
Q1に記載があるようにインフルエンザウイルスが変異し、新たにヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザの世界的流行の可能性が示唆されています。新型インフルエンザがもし発生した場合、基本的にすべての人々は、そのウイルスに対して抵抗力(免疫)をもたないため、新型インフルエンザはヒトの間で、広範にかつ急速に拡がると考えられます。さらに、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、短期間に地球全体にまん延すると考えられます。この世界的流行をパンデミックといいます。
ただし、新型インフルエンザウイルスがどのくらい強い感染力をもつのかについては、現段階ではわかりません。
Q4.新型インフルエンザの世界的流行を阻止することはできないのか。
パンデミックを阻止することは世界的にも非常に困難であると考えられていますが、最近の研究では、新型インフルエンザの発生の初期で、その範囲が限られている場合においては、抗インフルエンザウイルス薬の内服と移動制限を行うことで、流行の拡大を遅らせ、次の対策を講じることができることになります。しかし、これまで世界中で経験がないことなので、どの程度成功するかは未知数です。初めて発生する地域で、その発生をいかに早期に発見し、適切な対策をとることが大切です。
Q5.新型インフルエンザが全国的に流行した場合、どのくらいの人が感染すると予測しているか。
米国疾病管理センターの計算式に日本をあてはめると、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、約4分の1の人が感染すると予想され、また、医療機関を受診する患者数は最大で2500万人と推定されています。
Q6.鳥インフルエンザ、高病原性鳥インフルエンザとはどのような病気か。
インフルエンザウイルスは、自然界においてカモ、アヒルなどの水鳥を中心とした多くの鳥類に感染します。それを鳥インフルエンザといいます。また、鳥インフルエンザのなかでも、ニワトリ、カモなどが死亡してしまう重篤な症状をきたすものを高病原性鳥インフルエンザといいます。その原因となるウイルスは高病原性鳥インフルエンザウイルスといわれています。
Q7.鳥インフルエンザ(高病原性インフルエンザ)ウイルスがヒトに感染した例はあるか。
鳥インフルエンザウイルスは、通常ヒトに感染することはありませんが、近年、図1のように、ヒトにおける高病原性鳥インフルエンザ発症事例が報告されています。これまで、タイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジアを中心に、125人が発症し、64人の死亡者がでています(2005年11月10日現在)。
図1
『高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及び人での発症事例(2003年12月以降)(PDFファイル、311KB)』
Q8.鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)と新型インフルエンザはどのような関連があるのか。
鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザになるには、2つの仕組みがあります。
ひとつの仕組みは、鳥インフルエンザウイルスがヒトや鳥類の体内で変異し、ヒトからヒトへ感染するウイルス(新型インフルエンザウイルス)になることです。もうひとつの仕組みは、ヒトやブタに、ヒトのインフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスが同時に感染し、それぞれが混ざり合い、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスになることです。
Q9.通常のインフルエンザの予防接種は、新型インフルエンザに効果があるか。
通常のインフルエンザの予防接種に用いられているワクチンは、一般のインフルエンザには感染防御、症状の重症化軽減に効果があるとされています。
新型インフルエンザのヒト-ヒト感染が起きた場合、予防手段として直ちに使用できるワクチンは現時点ではありませんが、新型インフルエンザのウイルスに対して効果を発揮するワクチンの早期実用化に向けた開発努力が、日本を含め世界の各国で展開されています。
Q10.新型インフルエンザの予防はどうしたらいいのか。
通常のインフルエンザは、感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを吸入することによって感染します。そのため、外出後のうがいや手洗い、マスクの着用、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。また、十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとることも大切です。現状では新型インフルエンザは出現していませんが、出現した場合も通常のインフルエンザと同様に感染防御に努めることが重要です。
Q11.新型インフルエンザに感染した場合、どのような症状がでるのか。
新型インフルエンザに変異することが懸念されている高病原性鳥インフルエンザの症状としては、これまで東南アジアなどでの事例では、発熱、咳など、ヒトの一般的なインフルエンザと同様の症状に加え、60%以上の感染者に下痢が認められました。また、結膜炎、呼吸器症状や、多臓器不全に至る重症なものまで様々な症状がみられ、死亡の主な原因は肺炎でした。
しかし、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスに変異した場合、その症状の程度は、現在のところ予測することが困難です。
Q12.新型インフルエンザに感染したかどうか、どうしたらわかりますか。
現在、新型インフルエンザは発生していませんが、国内外で発生が見られ、かつ、Q11にあるような発熱、咳などのいわゆるインフルエンザの症状がある場合には、医療機関を受診し、専門的な検査で確かめることができます。現在のところ、この検査は地方衛生研究所や感染症研究所などで実施しています。
Q13.新型インフルエンザの治療法はあるのか。
インフルエンザの治療に使われている抗インフルエンザウイルス薬が有効ではないかと考えられており、今回の行動計画では、2500万人分の抗インフルエンザウイルス薬を準備することとされています。また、Q9にあるようにワクチンも開発中です。治療薬、治療方法について、最新の知見が発表され次第、情報提供し、対応策について公表してまいります。
