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京都まちとみどり写真コンクール平成29年度第33回講評

[総評]審査委員長:越智信喜(京都写真家協会)

今年の「まちとみどり写真コンクール」には、例年と同じく400点を越える写真の応募がありました。審査には一日をかけて、写真を一つずつ丁寧に見せていただいていますが、中には、当コンクールの趣旨に合わない作品もありました。次回は、まちの緑の良さや、その地域の魅力が伝わる作品、また写真を見てその地域に行ってみたい、暮らしてみたい、と思えるような作品の応募を期待しております。フォトコンテストで入賞を勝ち取る早道は、まずコンテストのテーマをしっかりと理解すること、そして被写体をしっかりと観察して作品づくりをすることだと思います。最近のデジタルカメラを使い、シャッターボタンを押せば、写真を作ることはできますが、その写真に魂を入れ、見た人に感動を与えるのは、写真撮影をされる皆さんです。

京都市内の緑はもちろん、京都府内の北部や南部にも、素晴らしいまちと緑がたくさんあります。各地に足を運んでいただき、皆さんの目で、それを探し発見していただければ、きっと新しい魅力的な緑の写真作品が出来上がると考えています。是非とも、頑張って写真撮影を続けていただき、次回も応募をしていただきたいと願っております。

京都府知事賞「ひまわりに囲まれて」白木文枝

少し高台からの撮影が良かったですね。夏のひまわり畑という感じ。コントラストを利かせ画面全体にピントがガッチリと合っているところに目がひかれ、見た者にそう思わせます。また、ひまわりの花の黄色と葉の緑が画面いっぱいに広がる様は、印象派の絵画のようにも見えます。その中で、ヨガを楽しまれる方々、夏の暑い屋外にいても気持ちいいのでしょうね。ダイナミックで、ドッと目に飛び込んでくる良い写真です。今回初めての応募とのことですが、来年も是非、作品をお出しください。

京都市長賞「街中の彩り」居原田晃嘉

正に都会の中に緑がある風景。車が行き交う大通りの沿道に植えられた紫陽花など花々がオアシスとなって、人々を癒しへの世界に連れて行ってくれるような写真です。思い切って花々を画面いっぱいにすることで、まちの中にある緑の良さを訴える作品となっています。そして、花々に注ぐ木漏れ日が心地よさを誘い、京都のまちに岡崎ループバスが走る、まさしく「まちとみどり」の写真です。

特別賞(宇治田原町長賞)「アジサイの名所」八木泰博

大きな紫陽花を手前に大きく配置する事で、紫陽花の名所を象徴し、その奥に永谷宗円の生家を配置する事によって「日本緑茶の発祥の地」宇治田原町を紹介する、誠に理にかなった写真です。「おいでやす、宇治田原」ですね。この写真を見て、宇治田原町の歴史を見に行ってみたくなったという方も出て来られると思います。ただ、写真の完成度から見ると、少し傾いた写真である事が残念です。これからは、垂直を意識して写真撮影を楽しんでください。

(公財)京都府公園公社理事長賞「駆けっこ」川口重一

夏の暑さから解放され秋風が吹く頃になると、緑あふれる公園には、家から飛び出し楽しそうに走り回る親子たちが増えてきます。そういう気持ちにさせるのは、季節の移り変わりも一役かっているのでしょうか。しかし一番の立役者は、中央に大きく育った大木ではないでしょうか。何本もの大きく育った公園の樹々たちが、人を集め、人を豊かにしてくれる、そんな光景を写真が物語ってくれています。人と公園が繋がる写真を、作者は撮影されたと感じます。

(公財)京都市都市緑化協会理事長賞「緑のオフィス」長岡隆男

昔、コンクリートジャングルと言われたことがありましたが、今では屋上に緑、ベランダにも緑を見かけることが多くなりました。緑は人の目を休ませてくれるアイテムになってきていますね。それを意識して、この写真を撮られたのだろうと思います。縦長の写真であれば、上部に広がりが出て、もっと作者の意図が伝わる写真になっていたかと思います。

(一社)京都造園建設業協会長賞「賀茂川桜堤」小原正義

整備された桜並木の半木の道。春にはその桜を求めてたくさんの人々が憩う情景を写真に収めたいのだと推測します。春の風と鴨川の川の流れが、人々の心を癒し、飛び石を渡る楽しそうな声が聞こえてきそうです。強いて言えば、飛び石に沢山の人が集まって、もっと楽しそうな情景が撮影できれば、一味も二味も作者の意図が反映できたかと思います。粘ることも、良い写真が出来るコツです。

京都府市長会会長賞「お田植えの里」海道肇一

まとまっていて、安心して見ることが出来る構図だと感じました。写真半分下には植えられたばかりの田んぼが、全体に落ち着き感を作り出していますし、お田植え祭の様子も描かれています。均等に並んで畦道を歩く早乙女の姿から、リズム感が出ています。田んぼの水に映る少しの足元が、そのリズムをアシストしているように見えました。先頭を歩く神主と巫女の白がアクセントとなっています。良い写真です。

京都府町村会長賞「新茶の季節」富永良明

この入賞作品も、宇治田原町を題材にした写真です。宇治田原町は、お茶の生産だけではなく、最近は工業団地としても躍進する町になってきたと聞きました。町の農業工業の光景を写真の中で一つにまとめ、伝統産業と新しい工業を対比した写真となっています。ただ単に風景ではなく、お茶の葉を収穫している人を入れることで、季節感も感じられる作品になっています。

京都新聞賞「お花も園児もまるくなって!」深井征子

パッと見た瞬間、鮮やかな写真だな、と思いました。でも奥から半円を描くように手前に流れてくる構図は、計算されているようにも見えました。チューリップの赤と黄色、園児の赤の帽子、黄色い服とのコラボレーションが全体を華やかにしています。こんな近くで写真が撮れるなんて、園児の遠足に付き添われましたか、と考えてしまいました。華やかさの中に、かわいらしさも隠れている写真だと思います。

KBS京都賞「水あそび」谷八紘(撮影地:左京区京都府立植物園)

「撮影日は春」とコメントに書かれていました。とは言っても、水遊びには冷たく、まだ肌寒いだろうと思います。でも、そんな事にお構い無しの子供たちは、自由に生き生きと散水栓から高く飛び出す水に大騒ぎ。女の子も走りよって、はしゃぎ回り、「わー」と楽しげな叫ぶ声が聞こえて来そうです。そして、家族の生き生きとした空間が切り取られている楽しい写真です。構図ですが、人物の外側の空間を詰めると全体がしまった画になり、子供たちの笑顔もはっきりと見せることが出来ると思います。

エフエム京都賞「里の夜明」田村宏

最初に写真を見た時、バックグラウンドミュージックが流れてくるように感じました。日の出と共に数羽のサギがはばたき、少し明るくなった空へ飛び立つ写真。FMから流れてくる音楽にマッチした風景ではありませんか。また、初めて行って撮れる写真ではないと確信しました。寒い冬に、何度も足を運んでこの光景に出会えたのだと思います。シャッタータイミングも良かった。すごく良い写真だと思います。これからも、お元気に写真を続けていただきたいと思います。

NHK京都放送局賞「蓮酒を楽しむ」北川茂博

蓮に囲まれ、ハス酒。さぞ美味しいのだろうと、脳裏に文字が浮かびました。ハス酒を飲む人物には自然な笑顔が溢れ、楽しそうで美味しそうな写真です。撮影者はこの瞬間を狙ったのだろうと思います。ハス酒を楽しむ写真撮影が終わる頃には、撮影者もほろ酔いだったのでしょうか。そう想像してしまう写真です。また、手前の蓮の花と葉が良い仕事をしてくれています。グッと画面に引き寄せてくれ、蓮に包まれているという効果が出ています。

奨励賞「奥まで遠い階段」松本龍大

長い長い階段を画面左右の黒い門が全体的に引き締めています。もう少し長い階段の奥行き感を出せれば良かったかなと思います。高い位置からの撮影であれば、もっと奥行きが出たでしょう。また季節を変えて撮影すると、この写真とは違った、長い長い階段が出現すると思います。実は、驚いたことがあります。この写真の作者が9歳の男の子だったことです。カメラ小僧くん、頑張ってね。

奨励賞「やさしい京都タワー」伊藤友津

京都駅ビルの最上階の憩いの場所の写真は、「まちとみどり写真コンクール」の審査ではあまり見かけたことのないもので、新鮮な気持ちで見せていただきました。階段で休んでいる白シャツの人と左下の鳩と京都タワーの展望台を結ぶ3点が画面を引き締め、中央のこんもりとした竹の植木を際立たせています。欲を言うと垂直に注意し、右の竹と空を切り取るトリミングをして、主題をハッキリとさせたいですね。これからも新しい感覚で被写体を探しレンズを向け、撮影を続け頑張って下さい。次回の応募を楽しみにしています。

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