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人権口コミ講座(40)

裁判員制度
 財団法人世界人権問題研究センター嘱託研究員
 京都大学大学院人間・環境学研究科教授 西井 正弘

 2009年5月21日、裁判員制度が実施されます。昨年末、あなたの名前が「裁判員候補者」として名簿に載りましたという封書が裁判所から届いた方もおられるでしょう。裁判所、検察庁や弁護士会も、裁判員制度の広報活動に取り組んできましたが、積極的に裁判員に参加したいという人の割合は多くはありません。法律の知識がないとか、人を裁くことは不安だという人々の気持ちの現れでしょう。では、なぜ今、裁判員制度を導入するのでしょうか。

 「裁判員」は、次のように決まります。市町村ごとの選挙人名簿の中から、くじ引きで選ばれた人が「裁判員候補者名簿」に記載され(封書で届きます)、翌年に裁判所から、「呼び出し状」が届く人がいます。その場合、例外はありますが裁判所に出頭しなければなりません。裁判長などによる面接で、「辞退が認められる人」と「不公平な裁判をする恐れのある人」が除かれて、抽選の結果6人の裁判員(他に補充裁判員)が選ばれ、宣誓を行い、午後には公判が始まることになります。事件関係者や法律を専門とする人は、裁判員にはなれません。

 裁判員制度の対象となる裁判は、殺人や強盗致死傷などの「死刑または無期懲役・禁錮にあたる事件」と「故意で人を死亡させた事件の一部」で、2006年の場合、刑事事件全体の3%にあたる3千件余りでした。良識をもった市民の代表6名の裁判員は、法律の専門家である裁判官3名と共に、法廷で「公判」に臨みます。結審後、裁判官と裁判員は、別室で非公開の「評議」を行って、被告が有罪か無罪か、有罪の場合には刑の内容を決め、法廷に戻って裁判長が被告に判決を言い渡します。

 国民の裁判参加は、司法についても国民主権を実現することになります。国民は、裁判員として、重大な刑事事件と真剣に向き合うことによりその「責任」を自覚し、裁判官などの法曹関係者も、市民の目線を意識した判断をすることになると思います。また、犯罪の被害者(や遺族)も刑事裁判に参加する制度が昨年12月1日に実施されました。広く国民が裁判に参加することによって、死刑を含む刑罰の問題や、犯罪被害者の人権についても、改めて考える機会が得られることでしょう。

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