めぐる季節の点描(146)
三万年の時を刻み過去を伝える貴重な資源
大フケ湿原(宮津市)


日本の原風景のような笹葺(ささぶ)き屋根の家々を見ることができる宮津市の世屋高原。この地は丹後の屋根と呼ばれる山々など豊かな自然に恵まれ、美しい風景が広がっています。中でも岳山(だけやま)の登山口から350メートルあるやや急な遊歩道を登った先にある展望台からの眺めは圧巻で、丹後半島の山々と若狭湾を一望することができます。
上世屋から木子(きご)方面へ向かう途中には、西日本では希少な高層湿原・大フケ湿原があります。ミズゴケなどが生育するこの湿原では、枯れた植物が分解されずに泥炭化し、堆積されていきます。大フケ湿原でこの泥炭の堆積が始まったのは、3万年以上前。そのため、過去から現在に至る自然環境の歴史が分かる貴重な地形として知られています。
学術的にも価値が高い大フケ湿原ですが、近年は環境悪化により、消滅の可能性も指摘されています。自然が長い年月をかけて造り出した、美しい風景を大切にし、後世に引き継いでいきましょう。

[問い合わせ先]
宮津市教育委員会
TEL0772-22-2121
北近畿タンゴ鉄道宮津線「宮津駅」または「天橋立駅」から丹後海陸交通バス「日置」で乗り換えて「世屋高原」下車、徒歩20分
※世屋高原行きのバスは要予約
