めぐる季節の点描(151)
四季の色に彩られ優雅にたたずむ名刹
金剛院【舞鶴市】



赤レンガと潮風のまち・舞鶴市。異国情緒漂う市街地の東に天長6年(829年)、弘法大師の弟子である高岳親王(たかおかしんのう)によって開かれた金剛院があります。
府の歴史的自然環境保全地域でもある境内に入ると、高岳親王が植えたといわれるカヤの大樹が目を引きます。高さ22メートル、幹周5.3メートルと府内随一のスケールを誇り、神々しい風格を備えています。秋には深紅に染まる楓(かえで)のトンネルを抜け奥に進むと、室町時代に再建された重要文化財の三重塔が。精巧かつ優雅なこの木造の塔と、社叢(そう)林として守られてきた自然が心地よい景観を醸し出します。
塔のそばから105段ある石段を上ると本堂へ到着。その横には、斜面から多くの柱と横木が組み合わされた雲山閣があり、さながら清水の舞台のよう。境内には細川幽斎の作庭と伝わる小池庭などもあり、そのどれもが来訪者の心を打つものばかりです。
「丹後のもみじ寺」ともいわれる金剛院は、三島由紀夫の小説「金閣寺」に紅葉と境内の美しい様子が描写されています。また、新緑や雪景色も趣があり、四季を通じて気品を感じさせる名刹(めいさつ)です。

[問い合わせ先]
金剛院
TEL0773-62-1180
IR「東舞鶴駅」から京都交通バス・高浜線「鹿原(かわら)」下車、徒歩5分
