人権口コミ講座(47)
ニューカマーとよばれる人びとの人権
財団法人世界人権問題研究センター研究第三部長 京都造形芸術大学客員教授
仲尾 宏
今、世界と日本はグローバリゼーションの大波の中、自国を離れて仕事や勉学をしたり、家族ともども外国で暮らす人がとても増加しています。日本人も数十万人が海外で暮らしていますが、日本では221万人の外国籍の人が暮らしています。
京都府域では約5万3000人、そのうち戦前から日本に来ていた在日コリアンとその子孫を除くニューカマーとよばれる人の数は2万3000人です。そのうち中国や韓国から来た人が多く、フィリピンから来た人がそれに次いでいます。この中には日本に永住を希望している人もあれば、やがて国に帰る人もいます。けれども日本に滞在している間、私たち日本人と同じく日常生活で起きるさまざまな問題を抱えています。例えば病気になったとき、症状を訴えても正しく理解してもらえる医療機関やお医者さんが身近にいるか、どうか。また子どもを日本の学校に行かせている場合、その子が日本語による学習についていけるか、どうか、また将来の年金はどうなるか。日本社会で受け入れられるだろうか、という不安があります。
全国の事例をみても、中国から帰ってきたいわゆる「残留孤児」とその家族の方々を含めて、日本語が不自由なために不就学になったり、高校へ行けない子どもが増加しています。子どもは世界のどこに暮らしていても教育を受ける権利があります。それをかなえるために、親、学校、地域の協力が必要です。
また日本人と結婚した外国人女性が夫やその家族から「お前は日本のことが分かっていない」と言われDVを受けたり、別居、離婚を強いられることもしばしばみられます。とりわけ事実上婚姻関係が破綻していると入管が判断すれば、その女性は在留資格を失って家族と別れて国外退去を強制される、というケースも起きています。
国際人権規約は誰でも、いつでも自国を離れて暮らす人々の人権が守られること、政府機関はそれを保障する義務があると述べています。わたしたちの身の回りに暮らしている外国から来た人を、日本人と同じく人権が守られるべき人々であると考えてみましょう。
