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京都職人仕事百科 第38回

ロボット研究者 談・萩田 紀博(56歳)

ロボットのイメージが変わる

 府南部にある関西文化学術研究都市のATR(1国際電気通信基礎技術研究所)で働く人の大半は研究者です。しかも大学の研究者とは違って、職業研究者です。ここではユニークな実験や研究が行われています。

 私たちが研究するネットワークロボットは、今世界各地で開発が活発化していますが、これは日本から生み出されたアイデアです。ロボットというとこれまでは、単体で自律的に行動するロボットをイメージしたと思いますが、インターネットや、施設などに設置したセンサとネットワークを結ぶことで、もっと新しいサービスをロボットを通じて創出する、というのがネットワークロボットの考え方です。

 例えば、将来的にはロボットを買ってきて、後は自分で思い思いにデータを取り込めば、自分が求めるサービスをしてくれるロボットが作れそうです。今はパソコンや携帯を使って情報を得ていますが、それをロボットが、私たちに話しかける感覚で教えてくれたり、朝は起こしてくれたり、食卓まで物を運んでくれたりと、そんな日も近づいているのです。

京都の研究に世界が注目

 生活に役立つネットワークロボットは、ロボットらしいロボットといえますが、もう一方では人間らしいロボットも生まれています。一月末から全国公開された映画『サロゲート』(ブルース・ウィリス主演)。サロゲートとは身代わりのロボットですが、実は三年前、映画関係者たちがここに取材に来て、客員室長の石黒浩先生が開発した遠隔操作可能なアンドロイド(石黒先生をコピーしたロボット)にヒントを得て製作されたフィクションなのです。このように、世界が注目するロボットの研究開発が現在、京都で進んでいます。地元の皆さんにも関心を持っていただけるとうれしいですね。

萩田 紀博さん

はぎた・のりひろ
昭和29年秋田県生まれ。慶應義塾大学大学院工学研究科修了。日本電信電話公社(現NTT)入社、以来コミュニケーション科学などの研究に従事。平成13年よりATRに赴任、現在知能ロボティクス研究所長、ATRフェロー。

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