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人権口コミ講座(51)

人権の立場から考えるユニバーサルデザイン

京都工芸繊維大学大学院 教授 森本 一成

 世界保健会議(2001年)で採択された国際障害分類の中の生活機能分類には、機能・構造障害、活動制限、参加制約の3つのレベルが記されている。ここでは参加制約の例を挙げて、人権の立場からユニバーサルデザインについて考える。

 期日前投票に行ってきた。駐車場には障害者用のスペースが確保してあったが、一般車が駐車していた。案内表示は小さくて、投票所の入り口がどこか迷った。緩いスロープがあるので車いす利用の方も建物に入るのはそう困難ではない。入り口の右手の廊下に長机が置かれていた。そこで投票のためのカードに氏名などを記載した。こんな狭い廊下で車いす利用の方がカードに記載する作業は無理だと思った。車いすの後ろを通り抜けることはもちろん困難だ。机には紙と鉛筆が置いてあるだけで、視覚障害者はこのカードを作れない。係員を呼ぶのだろうか。京都市ではこうした状況に対応すべく、視覚障害者や四肢機能障害者などの移動支援のためのガイドヘルプサービスを行っている。しかし、この種の利用に制限をかけている自治体もある。

 投票という国民にとって重要な権利一つをとって見てみても、ユニバーサルデザインの考え方がまだまだ浸透していないことに気付かされる。ユニバーサルデザインというのは、すべての人のためのデザインという意味である。人には性別、年齢、身体の特徴、人種などさまざまな違いがあるので、いろんな違いにできるだけ対処できるようにデザインすることが必要である。移動のための物理的な支援で参加を可能にすることに加えて、心理的な面に対する支援も必要である。ユニバーサルデザインの目的には、機会均等な社会をつくることがあると考える。物理的な環境だけでなく社会、文化、そして人々の意識により、さまざまな障害を乗り越えられ参加できる機会が、すべての人に与えられなければならない。

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