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特集1 つながる、農と福

働く喜びを地域の力に

ノウフク

障害のある方々などが、農業に取り組む農福(=農業・福祉)連携。
府では、障害者の就労と地域の農業の人手不足解消を同時に実現する、京都式「ノウフク」を支援しています。

“地域の人たちと楽しく働けることに幸せを感じます”
えびいも畑での作業風景
事業所から車で数分の、えびいも畑での作業風景。
障害のある方と支援者が一緒に、丹念に作業を行っています

えびいも畑での作業風景
1. 敷地内の温室で育てている、えびいもの苗
2. ほかにも、近年作り手が不足しているお茶の苗木や、木子トマト、京せりなど希少になった作物の栽培も手掛けています
3. 宇治茶の碾茶(抹茶の原料)を手摘み収穫している作業風景

山城就労支援事業所 さんさん山城の例
えびいも農家? いいえ、障害者就労支援事業所です

 京田辺市の一角に広がる畑で、地域特産品のえびいもを手入れするのは、山城就労支援事業所『さんさん山城』の通所利用者と職員の皆さん。2011年、府の山城園芸研究所跡地に開所したこの事業所では、当初から農業を通所利用者の就労支援の柱としてきました。
 「初めはゼロからのスタートだった」と、事業所管理者の藤永実さんは言います。府の山城北農業改良普及センターが、JA京都やましろ、京田辺市と開催している「担い手養成塾」で技術を学びながら、休耕地を活用し、えびいも作りに励んできました。今では、10aの畑でえびいもを生産。JAに出荷し、地域特産品作りの一翼を担っています。
 藤永さんは、「ろう者、難聴者、精神障害者、知的障害者、みんな異なる能力を持っている。その力を、農業や加工などの作業を通して発揮しています」と、同事業所での農福連携を語ります。

畑で採れたえびいも
次は畑で採れたえびいもを使って…

収穫したえびいもで作る“行列ができるコロッケ”

 『さんさん山城』の特長は、えびいもの生産だけでなく、加工・販売までを一貫して行っていること。冬に収穫したえびいもを冷凍保存し、えびいもコロッケに調理して販売しています。
 コロッケ作りの中心メンバーは、聴覚障害者の井上稔さん。「定年退職後、この事業所に通うようになりました。メニュー開発の際は、通所利用者と職員とが一緒に何度も試行錯誤して、具材の配合や味付けなどを決めました。今では、ここでの“仕事”が生きがいになっています」。
 コロッケは、JA京都やましろの直売所「にこにこ市」(毎月1回)や各地のイベントで実演販売。施設長の新免修さんによると、1日900個以上売れることもある人気商品に育ちました。「あちこちから出店要請を頂いています。事業所の活動が、地域に必要とされていることを実感しています」。
 農業を通じて一人ひとりが生き生きと働き、さまざまな人が支え合いながら地域で活躍する─農業と福祉の連携は、共生社会を実現するための可能性に満ちています。

えびいもコロッケ
地域の名物「えびいもコロッケ」に

厨房でえびいもコロッケのタネを作られている様子
1. 事業所の厨房で、えびいもコロッケのタネを作る通所利用者の井上さん
2. 先輩の通所利用者が後輩の通所利用者に技術を教えながら、日々商品作りに励んでいます
3. タネに衣をつけて、提供する直前に揚げ、あつあつサクサクの状態で提供

えびいもコロッケの出店の様子・事業所管理者の藤永さん・施設長の新免さん
4. えびいもコロッケの出店時には、いつも長蛇の列
5. 事業所管理者の藤永さん(右)と、施設長の新免さん(左)

きょうと農福連携センターをオープン!!

 府は、農福連携をさらに推進していくための拠点として、5月26日に「きょうと農福連携センター」をオープンしました。また、同時に南北にサテライト拠点も設置しました。
 センターが目指すのは、農福連携を軸とした京都式地域共生社会づくり。障害者の就労促進や居場所を創造し、地域の多種多世代の人々が地域で交流し、お互いを支え合う。そんな共生社会を実現するために、同センターが舵取り役を務めます。


障害者支援課執務室前に看板を設置


式典の様子

さんさん山城ランチボックス
式典で提供した「さんさん山城ランチボックス」もえびいもコロッケ入り

《センターの役割》

その1 京都式共生社会推進事業

アドバイザー派遣や設備の整備、地域交流などを支援

ハード整備

  • 生産・加工設備の設置・改修
    (ビニールハウス設置、農業用倉庫改修助成など)
  • 交流拠点の設置、交流スペースの整備など

ソフト整備

  • 製品開発・地域交流事業の開催など
    (マルシェのほかイベント開催費助成など)

その2 農福連携事業

農業技術などノウハウの提供で事業サポート

農業技術指導

  • 各農業改良普及センターと連携実施

6次産業化支援

  • 専門家派遣/販売支援/相談業務

その3 京都式キャリアパス事業

経験や技術に応じてキャリアを認証する制度を構築

農業のキャリアアップのための認証制度構築

認証制度のモデル的な実施 ※29年度中に認証開始

興味のある方や事業所はご相談ください
[お問い合わせ]
きょうと農福連携センター
TEL:075-414-4596 FAX:075-414-4597
ホームページ:http://www.kyo-nofuku.com

全国的な動き

支援する・される でなく双方にプラスを引き出す農福連携を

 日本の農業就業人口は、現在約209万人。この50年間で、約14%にまで減少しました。そして、平均年齢は69歳。担い手不足による耕作放棄地は増加の一途で、ついに富山県と同じ面積になりました。一方、障害者の就業率は約43%、月額平均賃金は約2.1万円という現実があります。農福連携とは、高齢化によって担い手を失いつつある農業と、就業先と収入の確保に困難を抱える障害者とをマッチングし、両者の課題を解決しようとする取り組みです。
 支援する・されるという関係ではなく、対等の立場で双方にプラスを引き出す農福連携は、さらに商業、工業、医療など、多様な主体との連携も可能です。府の支援を活用して、ぜひ京都式 の農福+α連携を、各地域で作っていただきたいと思います。

JA共済総研 調査研究部 高齢社会・福祉研究グループ 主任研究員 濱田健司氏

JA共済総研 調査研究部 高齢社会・福祉研究グループ
主任研究員 濱田健司氏

[お問い合わせ]
障害者支援課(きょうと農福連携センター)
TEL:075-414-4596 FAX:075-414-4597

農政課
TEL:075-414-4898 FAX:075-414-4939

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知事直轄組織広報課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4075

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