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人権口コミ座講 115

同和問題(部落差別)に関する正しい理解を
「部落差別の解消の推進に関する法律」をめぐって

公益財団法人 世界人権問題研究センター所長 同志社大学法学部 教授 坂元 茂樹

 同和問題は、「日本社会の歴史的過程で形作られた身分差別により、日本国民の一部の人々が、長い間、経済的、社会的、文化的に低い状態に置かれることを強いられ、日常生活の上で差別を受けるなどしている、我が国固有の人権問題」(『平成28年版人権教育・啓発白書』)と位置付けられています。国が、地方公共団体と共に、2002年まで行ってきた特別対策事業により同和地区の生活環境は大きく改善されました。

 確かに、差別意識は解消へ向けて進んでいるものの、結婚に関わる問題などがなお存在するとともに、インターネット上の差別的書き込みなど情報化の進展に伴う新たな状況の変化も生じています。こうした現状に対して、「部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とする」(第一条)、「部落差別の解消の推進に関する法律」が2016年12月に施行されました。この法律は、「全ての国民が等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、部落差別を解消する必要性に対する国民一人一人の理解を深めるよう努めることにより、部落差別のない社会を実現する」(第二条)との基本理念を定めるとともに、第三条で国や地方公共団体の責務を明らかにした上で、相談体制の充実を定める第四条、部落差別解消のための教育および啓発を行うことを定める第五条、国が、部落差別の解消に関する施策の実施に資するため、地方公共団体の協力を得て行う部落差別の実態に係る調査を定める第六条から成る理念法です。

 なお、国会での議論で指摘されたように、第六条でいう調査は、「部落の実態に係る調査」ではなく、あくまで「部落差別の実態に係る調査」であり、部落差別を受けた個人や、特定の地域などを個別に調査して公表するようなことは想定されていません。もちろん、新たな差別を生むような方法による調査はあってはならないといえます。

 この法律に基づく部落差別解消のための施策が、その地域の実情に応じて、適切に講じられ、部落差別のない社会の実現が求められています。

◎ 平成30年3月発行の「人権口コミ講座19」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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