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人権口コミ座講 117

犯罪被害者の兄弟姉妹への支援

公益財団法人 世界人権問題研究センター理事長 大谷 實

 平成17年4月に、待望の犯罪被害者等基本法が施行されました。それまで悲惨な生活を強いられ、孤立していた犯罪被害者は、「再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れることなく受けることができるよう、講ぜられるものとする」(第3条)とされ、また「犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する」と定められました。ここで「犯罪被害者」とされたのは、犯罪被害者およびその家族・遺族を含む趣旨からです。
 犯罪被害者等基本法に基づき、平成17年12月に犯罪被害者等基本計画が策定され、続いて、平成23年3月には第2次基本計画が策定されました。この2つの基本計画の下で、犯罪被害給付制度の拡充など経済的支援の充実を図り、犯罪被害者らの精神的・身体的被害の回復を図る施策に取り組むなど、犯罪被害者ら支援の施策は大きく進展しました。
 もとより、第1次基本計画および第2次基本計画の推進によって、犯罪被害者が抱えている問題がすべて解決するわけではありません。そこで、平成28年4月には第3次基本計画が策定されました。ここで注目されるのは、第3次基本計画の主な施策として、これまで取り上げられることのなかった、「兄弟姉妹が被害に遭った子供に対する適切な支援」が掲げられているということです。
 平成28年、「少年犯罪被害者当事者の会」は、「残された兄弟姉妹が抱える孤独」をテーマにフォーラムを開催しましたが、そのフォーラムでは、亡くなった者への悲しみ、両親の悲嘆し憔悴する姿、置いてきぼりにされ誰にも相談できない孤独感など、兄弟姉妹の精神的打撃が浮き彫りにされました。
 そうした「自ら声を上げにくい立場の兄弟姉妹」に対し、現在まで、公的支援はほとんどなかったのが実状です。第3次基本計画では、「子供に対する適切な支援」が強調されていますが、兄弟姉妹を支える体制の整備が急務であります。具体的には、警察・地方公共団体・学校における担当教職員や民間支援団体などが連携を図り、兄弟姉妹の相談に応じる環境を作る必要があります。

◎ 平成30年3月発行の「人権口コミ講座19」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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