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人権口コミ講座 119

拉致問題の一日も早い解決を目指して

公益財団法人 世界人権問題研究センター研究第五部部長 立命館大学法務研究科特任教授 薬師寺 公夫

 クラブ活動を終えて帰宅中の横田めぐみさん(当時13歳)が、北朝鮮に拉致されて40年を超える歳月が過ぎました。1970年代から1980年代にかけて、多くの日本人が北朝鮮工作員らによって連れ去られ、日本政府は、うち17名を北朝鮮による拉致被害者と認定しています。

 このほか拉致の可能性を排除できない方が883名おられ、日本政府は、認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の一刻も早い帰国を強く求めています。

 北朝鮮は、2002年9月の第1回日朝首脳会談で、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長(当時)が小泉首相(当時)に初めて拉致を認め謝罪しました。拉致された日本人のうち5名については同年10月に帰国が実現しましたが、他の被害者についてはいまだに安否が不明です。

 拉致被害者の出身国は、10カ国以上に及んでおり、国連総会では2005年以降毎年、人権理事会でも2008年以降11年連続で、日本やEUが共同提案国となった北朝鮮の人権状況に関する決議を採択してきました。とりわけ2014年2月7日付の北朝鮮における人権状況に関する国連調査委員会の最終報告書は、北朝鮮の組織的な人権侵害を非難するとともに、拉致被害者の家族と出身国に対し、被害者に関する十分な情報を提供し、生存している被害者およびその子孫を即時に出身国に帰国させるよう勧告しました。その後人権理事会や国連総会では、この報告書の勧告内容を踏まえた北朝鮮の人権状況に関する決議が採択され、国連人権高等弁務官事務所ソウル事務所の設置をはじめ、具体的な取り組みが行われてきています。

 2014年5月には、日朝政府間協議の結果、北朝鮮は、拉致被害者を含む全ての日本人に関する包括的かつ全面的な調査の実施を約束し、その後特別調査委員会を設置しました。しかし、2016年1月の核実験と2月の弾道ミサイル発射などを受けて、日本が北朝鮮に対する独自の制裁措置を発表すると、北朝鮮は、包括的調査の全面中止と特別調査委員会の解体を一方的に宣言しました。

 家族再会を待ち望む拉致被害者のご家族の高齢化が進んでいます。報道によれば、2018年6月に開催された米朝首脳会談で米国大統領から拉致問題に関する言及がなされ、会談後、日朝両政府間の協議再開とその進展に期待が寄せられています。拉致問題の一日も早い解決を求める国内・国際の世論を大きく広げることがますます重要になっています。

◎ 平成30年3月発行の「人権口コミ講座19」の内容を加筆・修正し、再掲載しています

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